安国寺は福岡市中央区にある曹洞宗の由緒ある寺院です。
その歴史は古く、慶長5年(1600年)に筑前の国主となった黒田長政が、天翁全補禅師のために、元の任地である豊前から移したのが始まりです。
寛永12年(1635年)に伽藍は火災で焼失しましたが、2代目の藩主の忠之により再興されました。
この由緒ある安国寺は、平成に入り境内を拡張し、高さ18.5mと言う巨大な山門が造られ、そこには高さ4.2mの西日本屈指の仁王像が祀られました。
さらにケヤキの巨木を使った鐘楼堂も伝統工法により建設され、その鐘の音は天神に鳴り響き、安寧を与えています。
この鐘楼堂の大鐘には龍が刻まれ、また鐘楼堂の天井にも龍の絵が描かれており、その素晴らしさと威厳ある姿には圧倒される感じを受けます。
境内には伝説として今も語り継がれている「飴買い幽霊」の墓があります。
この飴買い幽霊の伝説は、以下のようなものです。
毎晩、丑三つ時になると飴屋の表戸を叩き、若い女性が飴を買いに来ていました。
これを不審に思った飴屋が、ある晩、女性をつけると、その女性は安国寺の中に消えました。
境内を見ると真新しい卒塔婆が立っており、赤ん坊の泣き声が聞こえて来ました。
亡くなった女性が生んだ赤ん坊で、死ぬに死にきれない女性が幽霊となり、飴で赤ん坊を育てていたと言うのです。
この伝説の女性のお墓と、掘り出されたものの間も亡くなった赤ん坊の墓が境内に今も残されているのです。
福岡市の都心にありながら、境内は静寂に包まれています。
天神の近くに、古い歴史があり、また飴買い幽霊と言う有名な伝説の残る寺院がある事も驚きです。
さらに平成に建造された巨大な山門と鐘楼堂も一見の価値がある立派な建造物です。そんな安国寺を一度訪れられてはいかがでしょうか。
名称 大湖山 安国寺
アクセス 地下鉄天神駅から徒歩5分
住所 福岡市中央区天神3丁目14-4
問い合わせ 092-741-2770