父が亡くなったらすることは?必要な手続き・対応を亡くなってからの日数別に解説

父が亡くなったらすることは?必要な手続き・対応を亡くなってからの日数別に解説

父のような、特に親しい家族の死は、どんな方にとっても深い悲しみとショックを伴う出来事です。父が亡くなると、さまざまな準備や手続きを迅速かつ丁寧に処理する必要があり、家族の死に初めて直面した方は戸惑われることも少なくありません。

今回は、父が亡くなったらやることを、亡くなってからの日数別に紹介します。今回の内容を参考に、突然の事態でも冷静に対応できるよう心がけましょう。

父が亡くなったらやること:1日目

はじめに、父が亡くなって1日目にやることを紹介します。初日は、訃報を親族へ連絡したり、通夜や葬儀に向けて事前準備を行ったりする必要があります。

  • 親族らに訃報を伝える
  • 死亡診断書を受け取る
  • 葬儀社への連絡・遺体の搬送
  • 通夜・葬儀に向けた打ち合わせ

親族らに訃報を伝える

父が亡くなったら、まず近親者や親しい友人に訃報を伝えましょう。まだ通夜や葬儀の予定が決まっていない場合でも、亡くなった事実を簡潔に連絡してください。

訃報を伝える場合、電話を使うのが基本ですが、電話が通じなかった場合には、メールなどを送っておき、時間をおいてから電話をかけなおすと確実です。

連絡の際には、通夜や葬儀の日程が未定であることを伝え、詳細が決まり次第、改めて連絡する旨を伝えておくとよいでしょう。

死亡診断書を受け取る

父が病院で亡くなった場合、父を看取ってくれた医師によって死亡診断書が発行されます。死亡診断書とは、人間の死を医学的・法律的の両面から証明する重要な書類です。

役所へ提出が必要なほか、遺体を火葬するためにも必要になりますので、忘れずに受け取りましょう。父が自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡を取って、死亡診断書を発行してもらう用意をしてください。

なお、仮に父が事故で亡くなったり、突然亡くなったりした場合は、警察による検死が必要になります。まずは警察へ連絡をして、遺体は発見時の状態のまま動かさずに、警察の到着を待ち、指示を仰いでください。

検死により、父の死に事件性がないことが確認されると、死亡を証明する書類として、死体検案書が発行されます。

葬儀社への連絡・遺体の搬送

父が病院で亡くなると、遺体は一時的に霊安室へと移されますが、利用できる時間が限られています。そのため、父が病院で亡くなった場合は、なるべく早めに遺体を安置場所へと搬送してください。

遺体の搬送は、葬儀社へ依頼します。父の葬儀を依頼する葬儀社が決まっていれば、そちらに連絡し、まだ決まっていなければ、病院から紹介される葬儀社に遺体搬送のみを依頼したり、遺体搬送専門業者に依頼したりすると良いでしょう。

遺体の安置場所は、これまで故人の自宅などが一般的でしたが、近年では、葬儀会場内にある安置室へ搬送するケースが多いです。

通夜・葬儀に向けた打ち合わせ

遺体を搬送した後は、葬儀社と通夜や葬儀の内容について話し合います。まず、葬儀をどのような宗教形式で行うか決めましょう。仏教や神道、キリスト教など、故人や家族の信仰に基づいて選択するのが一般的です。

その後、どの程度の人数に参列してもらうかを検討します。家族や親族のみで行う家族葬や、多くの友人や知人にも参列してもらう一般葬など、希望に応じて葬儀社と相談してください。

また、葬儀費用の予算も重要なポイントです。あらかじめ予算を伝えておけば、葬儀社から希望に合ったプランを提案してもらうことができます。

父が亡くなったらやること:2日目

続いて、父が亡くなって2日目にやることについて解説します。2日目は、死亡届を役所へ提出するほか、通夜を執り行います。

  • 死亡届の提出・火葬許可証の受け取り
  • 通夜の実施

死亡届の提出・火葬許可証の受け取り

故人が死亡したことを公的に報告するため、役所に死亡届を提出する必要があります。死亡診断書や死体検案書の左側が死亡届の欄になっていますので、父の氏名や亡くなった時間・場所など、必要事項を記入してから役所へ提出してください。

死亡届は、故人の死を知ってから7日以内に役所へ提出しなければならないため、速やかに対応してください。提出先は、故人の本籍地、届け出る人の現住所、故人が亡くなった場所のいずれかの役所で、24時間受け付けています。

なお、死亡診断書や死体検案書は、父の死後の手続きに必要になるケースもあるため、役所へ提出する前にコピーを取っておきましょう。

役所へ死亡届を提出すると、火葬許可証が発行されます。火葬許可証は、遺体を火葬する際に必要になる書類なので、なくすことのないよう大切に保管しておきましょう。

通夜の実施

父が亡くなって2日目の夜に通夜を執り行います。通夜は、故人を偲ぶ大切な儀式の一つで、遺族や親しい人々が集まり、心静かに故人の冥福を祈る時間となります。

基本的に、通夜は葬儀社スタッフの進行に従って進められます。僧侶による読経や参列者らによる焼香が行われた後、場合によっては僧侶の法話や説法があることもあります。

通夜の終わりには、喪主から参列者らに向けて挨拶を行います。生前の父との付き合いに対する感謝や、翌日の葬儀の案内を伝えましょう。また、通夜後に通夜振る舞いを用意している場合は、その旨も連絡します。

家族葬のアイリスでは、葬儀のトータルサポートを行っています。専門のスタッフがお客様の要望をお伺いし、大切なお父様の最期にぴったりの葬儀プランを提案させていただきます。

葬儀のご依頼だけでなく、疑問や質問にもお答えしておりますので、気になる方は24時間365日対応のコールセンターへお問い合わせください。

父が亡くなったらやること:3日目

続いて、父が亡くなって3日目にやることについて解説します。3日目には、いよいよ葬儀と火葬が行われ、父と最後の別れをする節目の日となります。

  • 葬儀・告別式の実施
  • 出棺・火葬の実施
  • 還骨法要と初七日法要の実施

葬儀・告別式の実施

父が亡くなって3日目には、葬儀と告別式を執り行います。基本的に、葬儀は遺族らが故人と最後のお別れをする儀式、告別式はその他参列者が故人とお別れをする儀式です。これら2つの儀式は意味合いが異なるものの、続けて行うことが一般的です。

葬儀・告別式は、葬儀社スタッフの進行に沿って儀式が進み、僧侶による読経や参列者らによって焼香が行われます。最後に、喪主からの挨拶が進められ式は終了です。

出棺・火葬の実施

葬儀と告別式が終わると、出棺に向けての準備に移ります。棺を祭壇からおろして蓋を開け、父と縁のある参列者の順に最後の別れを果たします。また、棺の中を祭壇に飾られていた花で飾る別れ花を行います。

このとき、父が普段愛用していた品や父の好きだった食べ物などを、副葬品として棺に納めることも可能です。副葬品には燃えやすいものを選ぶ必要があり、ふさわしくない品を副葬品に選んでしまうと火葬がうまく進まないこともありますので、副葬品選びに迷う際は、葬儀社スタッフへ一度確認してください。

棺の蓋が閉められると、棺を霊柩車へと運び入れて、火葬場へと移動します。火葬許可証は、忘れず火葬場スタッフの方にお渡ししてください。火葬は、およそ1時間掛かりますが、その間は控室で軽食などをいただきながら終了を待ちます。

火葬が終わると、遺骨を骨壺へ納める骨揚げを行います。二人一組となって箸を持ち、一つの骨を一緒に掴んで骨壺へと納めます。納める骨の順番は火葬場スタッフが教えてくれますので、指示に従ってください。

還骨法要と初七日法要の実施

火葬を終えると、再度斎場へと戻り、還骨法要と初七日法要を行います。還骨法要は、遺骨を迎え入れる際に行われる法要です。また、初七日法要は故人が亡くなった日を含めて7日目に行われる法要ですが、近年では還骨法要と合わせて行われるケースが増えています。

還骨法要と初七日法要の後、「精進落とし」と呼ばれる食事の席を設けることもあります。精進落としは、僧侶や参列者らをもてなすとともに、葬儀が無事に終えられたことへの感謝を伝えるための場です。

父が亡くなったらやること:4日目以降

続いて、父が亡くなって4日目以降にやることについて解説します。通夜や葬儀が無事に終わったら、葬儀社へ費用を支払いましょう。また、父が亡くなってから49日目には四十九日法要を行います。

  • 葬儀費用の支払い
  • 四十九日法要・納骨

葬儀費用の支払い

葬儀が終わったら、葬儀社へ費用を支払います。支払い方法は、現金のほかクレジットカード払い、銀行振り込みなどの方法があります。

中には、葬儀ローンに対応している葬儀社もありますので、支払い方法や支払い期限の詳細は、契約時に確認しておくと安心です。

葬儀費用は、請求書と見積り内容に齟齬がないか確認してから支払うようにしましょう。請求書に不明点があれば、必ず葬儀社スタッフに説明を求めてください。

なお、葬儀費用は相続税から控除できる場合があります。控除手続きのために、領収書や関連書類を保管しておきましょう。

四十九日法要・納骨

命日を含めて49日目に行う四十九日法要は、故人が極楽浄土へ旅立つとされる大切な節目の行事です。基本的には49日目に行いますが、平日で参列者の都合が合わせづらいなどの理由から、最近では日取りをずらすケースも珍しくありません、日取りをずらす場合は、必ず49日目よりも前倒しして法要を行いましょう。

また、四十九日法要に合わせて納骨を行うケースが一般的です。墓地や納骨堂の手配が済んでいない場合は、納骨のタイミングに合わせて早めに場所を選び、必要な手続きを進めるようにしてください。

父が亡くなったらやること:各種手続き

ここからは、父が亡くなったら必要になる各種手続きについて解説します。人が亡くなると、さまざまな手続きが必要です。中には、期限が設けられている手続きもあるため、忘れずに処理をしましょう。

  • 世帯主変更手続き
  • 健康保険に関する手続き
  • 各種契約に関する手続き
  • 相続に関する手続き

世帯主変更手続き

父が世帯主だった場合は、世帯主の変更手続きをして別の家族を世帯主にする必要があります。手続きは、父が亡くなってから14日以内に市区町村役所へ世帯主変更届を提出して行います。

届出は、新しい世帯主や世帯を構成する世帯員のほか、代理人に行ってもらっても構いません。なお、父が一人暮らしだった場合や、父と母の二人暮らしで、父の死後、次の世帯主が明らかである場合は、世帯主の変更手続きは必要ありません。

健康保険に関する手続き

父が加入していた健康保険の種類に応じて、資格喪失の手続きが必要です。父が健康保険や共済組合に加入していた場合、父が亡くなった日から5日以内に、父の勤務先を通じて手続きを行ってください。

父が国民健康保険、もしくは後期高齢者医療制度を利用していた場合は、父が亡くなってから14日以内に、市町村役場で手続きを行います。なお、父が世帯主、かつ国民健康保険に加入していた場合は、世帯主を変更した新しい保険証の発行が必要なので、手続きの際は父の健康保険証と世帯主全員の健康保険証を持参してください。

各種契約に関する手続き

父名義の各種契約などに対しても手続きが必要です。たとえば、電気やガス、水道といった公共サービスは、不要であれば解約、引き続き利用する場合は名義変更と支払い方法の変更手続きを行いましょう。

父の契約していたクレジットカードも、忘れずに解約してください。クレジットカードを契約したままにしておくと、不正に利用される恐れもあり危険です。

父が公共サービスの料金を支払っていた場合は、先にクレジットカードを解約してしまうと、料金の支払いができなくなる可能性もあるため、まず公共サービスの支払い方法を変更したうえで解約するようにしてください。

相続に関する手続き

父の財産や負債を引き継ぐために必要なのが、相続の手続きです。

まず、遺言書の有無を確認したり、戸籍謄本を取得したりして、相続人を確定します。その後、相続財産の調査や評価をし、相続人全員で遺産分割協議を行って、話し合いの結果を遺産分割協議書にまとめます。遺産分割協議書は、不動産や預貯金の名義変更に必要となる重要な書類です。

父に多額の負債がある場合は、相続の放棄や、プラスの財産で負債を弁済する限定承認といった相続も可能です。この場合、相続が開始されてから3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。

なお、相続税は相続開始から10ヶ月以内に税務署へ申告・納税を行わなければなりません。不動産や金融資産の評価が必要な場合も多いため、必要に応じて税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

父が亡くなったらやることに関してよくある質問

最後に、父が亡くなったらやることに関してよくある質問とその回答を紹介します。

父が亡くなった場合、会社はどれぐらい休む?

父が亡くなった際、会社勤めをしている方は、忌引き休暇として会社を休むことができることが多いでしょう。取得できる休暇日数は、勤務先の就業規則や会社の慶弔休暇制度によって異なりますが、父は一親等の親族に該当するため、7日程度の休暇が認められる場合が多いようです。

忌引き休暇を取得する際は、上司に口頭や電話連絡したうえで、亡くなった人物と自分の続柄、取得する休暇日数、休暇中の緊急連絡先などをメールで伝えておくと良いでしょう。

両親が離婚している場合、相続はどうなる?

両親が離婚している場合でも、父が亡くなった際には相続権が認められます。離婚をしていたとしても父との親子関係がなくなるわけではないため、父の子供であれば相続人として遺産を受け取る権利があります。

一方で、相続の際、父が再婚している場合の新たな配偶者や、新たな配偶者との子どもが相続人となる場合もあります。スムーズに遺産分割協議が進まない可能性もあるため、不安や疑問がある場合は、必要に応じて弁護士や税理士に相談してください。

まとめ

父が亡くなったときにやることを、亡くなってからの日数別に解説しました。

父が亡くなった際は、通夜や葬儀はもちろん、各種手続きや相続に関する対応など、多くのことを迅速かつ的確に行う必要があります。今回解説した内容を参考に、一つひとつの手続きを確実にこなして、大切な父をしっかりと見送りましょう。

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