【2024】会葬御礼とは?どこで買う?品物の例や挨拶の文例をわかりやすく解説
葬儀・告別式に参列してくれたお礼として、参列者に会葬御礼品を渡すことが一般的です。しかし、会葬御礼についての基本を知らなければ、うっかりマナー違反をしてしまうかもしれません。お礼の気持ちを伝えるはずが失礼にあたってしまう事態は、できるだけ避けたいことでしょう。
では、そもそも会葬御礼とはどのようなものなのでしょうか?また、会葬御礼品はどのような視点で選べばよいのでしょうか?今回は、会葬御礼の基本やマナー、香典返しとの違い、会葬御礼品の選び方や会葬御礼品に添えるお礼状の書き方まで、くわしく解説します。
会葬御礼とは
会葬御礼とは、葬儀・告別式に参列してくれた方に、会葬のお礼として渡す品物やお礼状です。地域によっては、「粗供養品(そくようひん)」と呼ばれることもあります。
時間を割いて参列してくれたことへのお礼の意を示すものであり、1人あたり500円から1,000円程度で用意することが多いでしょう。参列者によって品物を分けることは一般的ではなく、原則としてすべての参列者に同じものを用意します。若年の方などには、「結婚式でいうプチギフトのようなもの」と考えると、イメージしやすいかもしれません。
もともと、通夜や葬儀に参列してくれた方へは遺族が後日お礼に出向くものとされていました。しかし、近年では遺族も参列者も多忙な方が増えています。
また、参列者の中が遠方に居住しているケースや、遺族も高齢でありお礼に回ることが難しいケースも少なくありません。そして、近年では突然の訪問を迷惑であると考える人も多いでしょう。
このような背景から、近年では遺族が後日お礼に出向くことに代えて、葬儀の当日に会葬御礼品をお渡しすることが一般的となっています。
なお、厳密にいえば会葬御礼は「葬儀・告別式への参列のお礼」としてお渡しするものを指し、通夜参列者へのお礼は「通夜返礼品」と分けて呼ばれます。しかし、「参列へのお礼」という点で共通するため、両者をまとめて「返礼品」と呼ぶことも少なくありません。
また、通夜のあとに通夜振る舞い(参列者にふるまう食事)をする場合には、通夜返礼品は省略することもあります。
会葬御礼と香典返しとの違い
会葬御礼を、香典返しと混同している人も少なくありません。ここでは、会葬御礼と香典返しとの違いについて解説します。
意味合いが違う
会葬御礼は、葬儀への参列のお礼としてお渡しするものです。そのため、参列者全員にお渡しします。
一方で、香典返しは香典をいただいた方に、そのお礼としてお渡しするものです。
参列者が香典を包んでくれた場合には、会葬御礼と香典返しの両方をお渡しするのが基本です。「会葬御礼品を渡したから香典返しは不要」ということではないためご注意ください。
渡す時期が違う
近年では、会葬御礼は葬儀の当日にお渡しします。当日までにあらかじめ用意しておき、受付の際や弔問客がお焼香を終えたタイミングなどで手渡しすることが多いでしょう。
式のどのタイミングで会葬御礼品をお渡しするのが適切であるか式の規模や地域性などによっても異なるため、葬儀社の担当者へご相談ください。
一方、香典返しは、原則として四十九日の忌明け後に行うものです。四十九日を迎える前に香典返しを行うことは、一般的ではありません。香典返しの際には、無事に忌明けを迎えた報告とともにお礼を伝えます。
ただし、最近では葬儀当日に香典返しする「即日返し」のケースも増えています。このことも、会葬御礼と香典返しが混同されやすい理由の一つでしょう。
即日返しの場合は原則としてその場で香典返しが済むため、後の手間が少ないことがメリットです。一方で、香典返しは次で解説するとおり、いただいた香典の額によってお返しすべき金額も変動するものです。
そのため、思いがけず高額な香典をいただいた場合には忌明け後に改めて差額分相当の香典返しをする必要が生じ、むしろ手間が増える可能性もあります。
金額が違う
会葬御礼品は、一人あたり500円から1,000円程度を目安に用意することが一般的です。あまり高額な品物を用意することは参列者に無用な気を遣わせることとなりかねないため、避けるべきでしょう。
また、すべての参列者に同じ品物を用意するべきであり、相手や香典の有無などによって品物を変えるものではありません。
一方で、香典返しの適正額はいただいた香典の額によって変動します。一般的には、いただいた香典の額の3分の1から2分の1(半返し)程度が目安です。
つまり、いただいた香典の額によって香典返しの内容も変わるということです。最近では、相手が自身の好みで品物を選べるカタログギフトを用意することも多いでしょう。
会葬御礼で渡すもの
会葬御礼では、参列者に何を渡すのでしょうか?ここでは、会葬御礼としてお渡しするものを解説します。
- 会葬御礼品
- 会葬礼状
- 清め塩
会葬御礼品
1つ目は、会葬御礼品です。
先ほど解説したように、1人あたり500円から1,000円程度を目安に用意することが多いでしょう。会葬御礼品とされることの多い品物の例は、次のとおりです。
- お茶
- のり
- 羊かん
- お煎餅
- クッキー
- 羊かん
- 洗剤
- 入浴剤
- 石鹸
- ハンカチ・タオル
- クオカード・図書カード
会葬御礼品には、かさばらず、かつ使用すればなくなるもの(いわゆる「消えもの」)を選ぶのが基本です。
なお、ハンカチやタオルは使用してすぐになくなるものではないものの、「悲しみを拭い去る」との意味合いから会葬御礼品に選ばれることも少なくありません。近年では、かさばらないことや参列者が自由に使えることを重視して、クオカードなどを用意することもあります。
会葬礼状
2つ目は、会葬礼状です。
会葬礼状とは、会葬へのお礼を記載したお礼状です。会葬礼状の書き方や例文は、後ほど改めて解説します。
清め塩
3つ目は、清め塩です。清め塩は、死の穢れを家に持ち込まないための「お清め」に使用するためにお渡しするものです。
ただし、死を「穢れ」と捉えるのは神道の考え方であり、仏教の考え方とは異なります。そのため、仏式の葬儀の場合には、清め塩を渡さない場合もあります。
清め塩が必要であるか否かは宗教や宗派、地域性などによっても異なるため、葬儀社の担当者へご相談ください。
会葬御礼品はどこで買う?
会葬御礼品は、どこで手配すればよいのでしょうか?ここでは、主な手配方法を2つ紹介します。
- ギフトショップで購入する
- 葬儀社に依頼する
ギフトショップで購入する
1つ目の方法は、ギフトショップで購入することです。
故人とゆかりのある品物を会葬御礼品としたいなど、会葬御礼品にこだわりがある場合には、ギフトショップで購入するとよいでしょう。
なお、この場合には、どのようなものを会葬御礼品として想定しているのかをあらかじめ葬儀社の担当者に伝え、相談しておくことをおすすめします。最終的に会葬御礼品を決めるのは喪主であるものの、万が一その品物が会葬御礼品として一般的に避けられるものである場合、アドバイスを受けられる可能性が高いためです。
葬儀社に依頼する
2つ目の方法は、葬儀社に手配を依頼することです。
ほとんどの葬儀社は、会葬御礼品の手配を請け負っています。葬儀社は会葬御礼品として相応しい品物を取り揃えているため、手配を依頼することで、マナーに即した会葬御礼品を用意しやすくなるでしょう。
家族葬のアイリスでは、全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。会葬御礼品についても相談できる信頼できる葬儀社をお探しの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は、24時間365日いつでもお受けしています。
会葬御礼品を選ぶポイント
会葬御礼品を選ぶ際は、どのような視点で選べばよいのでしょうか?ここでは、会葬御礼品を選ぶ主なポイントを解説します。
- 持ち帰りの負担にならないこと
- 食べ物であれば、日持ちがするものであること
- 殺生を連想させるものや嗜好品ではないこと
持ち帰りの負担にならないこと
会葬御礼品には、持ち帰りの負担にならないものを選びましょう。
極端に大きなものや重いもの、公共交通機関を利用しづらいほどの匂いのするものなどを渡すと、参列者を困らせる事態となりかねません。大きさに関しては、男性の背広のポケットに収まる程度のサイズが好ましいとされています。
食べ物であれば、日持ちがするものであること
会葬御礼品として食べ物を渡すこと自体は、問題ありません。むしろ、会葬御礼品などの不祝儀ではいわゆる「消えもの」がよいとされ、食べ物や飲み物はよく選ばれるものの一つです。
ただし、食べ物や飲み物を会葬御礼品とする場合には、ある程度日持ちがするものを選択しましょう。会葬御礼品として選ばれることの多い食べ物や飲み物には、お茶やのり、お煎餅、クッキー、羊かんなどが挙げられます。
殺生を連想させるものや嗜好品ではないこと
殺生を連想させるものや嗜好性の強いものは、会葬御礼品としては相応しくありません。殺生を連想させるものとは、肉や魚などの生ものです。また、嗜好性の強いものとしては、お酒などが挙げられます。
ただし、嗜好品は必ずしも避けるべきとまではいえず、こだわりや理由がある場合にはあえて選択することもあるでしょう。希望する会葬御礼品がマナー違反でないか確認したい場合には、葬儀社の担当者へご相談ください。
会葬御礼に添える会葬礼状の例文とポイント
先ほど解説したように、会葬御礼品をお渡しする際には会葬礼状を添えることがマナーです。ここでは、会葬礼状の例文と作成のポイントを解説します。
会葬礼状の例文
会葬礼状の例文は、次のとおりです。
故 葬儀太郎 儀 葬儀に際しましてはご多用中にも拘りませず御会葬いただき また御鄭重なる御厚志を賜り 誠に有り難く厚く御礼申し上げます
早速拝趨のうえ御礼申し上げるべきところ 略儀ながら取り急ぎ書中にて御挨拶申し上げます
令和6年〇月〇日(通夜)
令和6年〇月〇日(告別式)
〇〇県〇〇市〇〇1番地1号
喪主 葬儀 一郎
外 親族一同
会葬礼状は、参列者全員に渡すものです。また、参列者が忌引きを証明するために勤務先や通学先などへ提出される場合もあります。そのため、あまり踏み込んだ内容は記載せず、シンプルな内容にするとよいでしょう。
会葬礼状を作成するポイント
会葬礼状を作成する主なポイントは、次のとおりです。
- 時候の挨拶は記載しない
- 故人名には「儀」をつける
- 句読点は使用しない
- 暑中での挨拶を詫びる文言を記載する
時候の挨拶は記載しない
一般的な挨拶状では、「桜花の候」や「桜のころとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」などの時候の挨拶を記載することが一般的です。一方で、会葬礼状をはじめとする弔事にまつわる挨拶状では、時候の挨拶は記載しません。
故人名には「儀」をつける
会葬礼状では、故人について「故 葬儀太郎 儀」や「亡父 葬儀太郎 儀」のように、故人名のあとに「儀」を記載するのが通例とされています。
この「儀」は「~に関する」という意味であり、葬儀の場面でよく使用されます。これは添え字であり、読み方はありません。
句読点は使用しない
挨拶状では、原則として句読点を使用しません。
近年では読みやすさを重視して、句読点を使用する挨拶状も散見されるようになりました。しかし、会葬礼状など葬儀にまつわる挨拶状で句読点を使用することは、近年においても一般的ではありません。
暑中での挨拶を詫びる文言を記載する
先ほど解説したように、会葬のお礼はもともと、相手のもとへ直接出向いて行うべきものでした。相手のもとへ出向いていくことをへりくだって、「拝趨」といいます。
そこで、会葬礼状の末尾には、暑中での挨拶を詫びる一文を入れることが一般的です。
会葬礼状の作成は葬儀社に任せられる
会葬礼状の作成は自身で行うこともできる一方で、葬儀社に依頼することも可能です。特にオリジナリティを出したいなどのこだわりがない場合には、葬儀社に任せると安心でしょう。
会葬御礼の注意点
会葬御礼品に関して、他にはどのようなことを理解しておくべきでしょうか?最後に、会葬御礼の主な注意点を解説します。
参列予定人数より多めに用意する
会葬御礼品は、香典をいただいたか否かなどにかかわらず、すべての参列者にお渡しするものです。想定よりも多くの参列者が訪れ、用意した会葬御礼品が足りなくなるような事態が生じれば、急いで追加の品物を用意するなどの対応が必要となり非常に慌ただしくなるでしょう。
そのような事態を避けるため、会葬御礼品は、参列が予想される人数よりも多めに用意することが原則です。
なお、会葬御礼品の手配を葬儀社に依頼した場合、余った分を返品できる場合もあります。このあたりの対応は葬儀社によって異なるため、あらかじめよく確認しておくことをおすすめします。
会葬御礼を用意しないこともある
会葬御礼は、原則として用意すべきものです。ただし、家族葬などごく近しい者だけで執り行う葬儀の場合には省略することもあります。会葬御礼を用意すべきか否かに迷ったら、葬儀社の担当者へご相談ください。
熨斗(のし)のマナーを守る
会葬御礼品の熨斗(のし)には、白黒または黄白のものを使用します。また、水引は「結び切り」とするのがマナーです。結び切りの水引には、「二度と繰り返さない」との意味合いがあるためです。
表書きには、「御会葬御礼」などと記載したうえで、水引の結び目の下には贈り主の氏名を書きましょう。本来であれば黒墨の毛筆を使うのが基本ですが、筆ペンなどで書かれることも増えています。
ただし、目上の方にお渡しする場合には、原則どおり毛筆で記載するのが無難でしょう。なかには、筆ペンは失礼であると考える人もいるためです。
まとめ
会葬御礼の基本や香典返しとの違い、会葬御礼品として選ばれることの多い品物や選ぶ際のポイントなどについて解説しました。
会葬御礼は、葬儀・告別式の参列者に対し、会葬のお礼としてお渡しするものです。会葬御礼品としては、お茶や石鹸などの「消えもの」が選ばれることが多いでしょう。
また、会葬御礼品には、会葬礼状を添えるのがマナーです。葬儀社の多くは会葬御礼品や会葬礼状などの手配を行っているため、お困りの際は葬儀社の担当者に相談することをおすすめします。
家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、24時間365日体制でご相談をお受けしています。また、会葬御礼品などの手配についても、ご相談いただけます。
ご家族が亡くなり葬儀社の選定などでお困りの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
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