【2024】告別式とは?葬儀・通夜との違い、流れなどをわかりやすく解説
ご家族が亡くなると、通夜や葬儀・告別式を執り行うことが一般的です。しかし、はじめて喪主となる場合、告別式がどのような儀式であるか分からず不安に感じることも少なくないでしょう。
では、告別式とはどのようなものであり、葬儀や通夜とはどのような点で異なるのでしょうか?また、告別式は一般的にどのような流れで執り行うのでしょうか?
今回は、告別式の概要や葬儀・通夜との違い、一般的な流れ、告別式での喪主挨拶の例など、告別式にあたって喪主が知っておくべき事項について解説します。
告別式とは
告別式とは、故人との別れを惜しむ式典です。一般的な葬儀では、火葬の前に、葬儀に続けて営まれます。遺族・参列者による焼香や玉串奉奠(たまぐしほうてん)、献花、釘打ちの儀などがこれに該当します。
一方で、著名人や会社経営者などが亡くなった際に後日行われることの多い「お別れの会」や「社葬」なども、告別式の一つです。
このように、故人とのお別れを惜しむ式典のうち、宗教色にさほどとらわれずに行われるものが「告別式」であると整理できます。
葬儀との違い
告別式と葬儀の違いは、宗教色の有無です。一般的には、一連の「葬儀・告別式」のうち、僧侶など宗教者による読経やお焼香が葬儀にあたります。
しかし、葬儀と告別式とは一連の流れの中で行われることが多く、実際の式典において「ここまでは葬儀、ここからは告別式」と厳格に区分されないことが一般的です。そのため、一般的には出棺までの一連の式典を「葬儀・告別式」と考えておくとよいでしょう。
ただし、無宗教式の場合にはあえて「葬儀」という言葉を用いず、式典の全体を「告別式」と称する場合もあります。
通夜との違い
通夜と告別式の違いは、執り行うタイミングです。
社葬など一定の場合を除き、葬儀・告別式は原則として火葬と同日に行います。一方で、通夜は葬儀・告別式の前夜に行われることが一般的です。
以前は、近親者が夜通し故人を見守りながら一晩を過ごす儀式を「通夜」と呼んでいました。しかし、近年では短時間で行う「半通夜」が主流となっており、葬儀・告別式と同様に一般参列者が訪れる式典となっています。
通夜は夕刻18時や19時頃から、葬儀・告別式は日中に営まれることが多いため、近年では多くの人にとって都合をつけやすい通夜のほうが参列者が多くなるケースもあるほどです。たとえば12月1日の午後に逝去された場合、基本のスケジュールは次のとおりとなります。
- 12月2日:通夜
- 12月3日:葬儀・告別式と火葬
ただし、12月3日が火葬場の休日である場合や火葬場の予約が取れない場合、ご遺族の都合などによっては、これとは異なるスケジュールとなる場合もあります。
また、地域や宗派などによっても、日程の考え方が異なる可能性があります。そのため、実際のスケジュールについては、近親者や葬儀社の担当者と相談したうえで検討するとよいでしょう。
家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、通夜や告別式の日程についてもご相談いただけます。ご家族が亡くなり葬儀社の選定でお悩みの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
告別式に参列できる人は誰?
告別式には、原則として誰でも参列できます。告別式は、故人とお別れをする社会的な儀式であるためです。
ただし、家族葬の場合には喪主などから声をかけられた人のみが参列するのが基本であり、声をかけられていないにも関わらず無理に参列することは避けたほうがよいでしょう。家族葬とする場合には遺族が「近親者のみで故人とゆっくりお別れしたい」と考えている可能性が高く、思いがけない参列者が訪れた場合には、喪主などに気を遣わせてしまうおそれがあるためです。
喪主としても、家族葬としたい場合には葬儀・告別式を終えるまで周囲に逝去を伝えないよう注意しなければなりません。
また、一般葬の場合であっても、一般参列者が同席できるのは告別式までです。火葬場に同行するのは一部の近親者のみとなるため、一般参列者は出棺までの参列となります。
喪主としては、火葬場に同行する者をあらかじめ確認し、声をかけておきましょう。
告別式の一般的な流れ
告別式は、どのような流れで進行するのでしょうか?ここでは、葬儀・告別式の一般的な流れを紹介します。
- 親族集合
- 受付開始
- 告別式開始
- 読経・お焼香
- お別れ花
- 釘打ち
- 喪主挨拶
- 出棺
親族集合
告別式開始時刻の1時間前頃に、親族が集合します。集合したら、必要に応じて花の配置や座席位置、当日の流れなどを確認します。
受付開始
告別式開始時刻の30分前頃から、一般参列者の受付を開始します。家族葬の場合には、受付を省略することもあります。
告別式開始
予定時刻に葬儀・告別式が開始されます。開始時刻は火葬場の予約時間から逆算して決めることが一般的であり、午前10時や11時頃に設定することが多いでしょう。
開式の挨拶は、葬儀社のスタッフが行うことが一般的です。
読経・お焼香
仏式の場合、葬儀・告別式が開始されると、僧侶による読経とお焼香がなされます。ここが、「葬儀・告別式」の「葬儀」にあたる部分です。
続けて、喪主や遺族、親族、参列者がお焼香をします。あえて分けるのであれば、ここからが「告別式」にあたります。
お別れ花
次に、棺の中に花を手向ける「お別れ花(献花)」を行います。お別れ花は喪主から始め、遺族・親族・参列者と故人に近しい順に行うのが基本です。
このお別れ花が、故人のお顔を見られる最後の機会となります。
釘打ち
棺の蓋を閉め、「釘打ち」を行います。釘打ちとは、棺の蓋が外れないように釘を打つ儀式です。
もともとは、野辺送りの途中で蓋が外れないよう行われていたものでした。また、「三途の川を無事に渡り、冥土に着けるように」との思いを込めて、故人との血縁が濃い者から順に石で釘を打ち込むのが本来の方法です。
しかし、近年では棺の性能も上がっており、途中で蓋が外れることはほとんどありません。また、ご遺族が蓋に釘を打ち込むことに抵抗を感じるケースもあり、儀式自体を省略したり釘を打ち込む動作だけをしたりする場合もあります。
釘打ちについては宗派や地域、葬儀社によって考え方が異なる可能性があるため、葬儀社の担当者などへあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
喪主挨拶
出棺の前に、喪主が参列者へ向けて挨拶をします。喪主挨拶は棺を霊柩車に乗せる前に行う場合もあれば、霊柩車に乗せてから行う場合もあります。
喪主挨拶の例は、後ほど紹介します。
出棺
喪主挨拶を追えると、火葬場へ向けての出棺となります。一般葬の場合であっても、火葬場へは近親者だけで出向きます。
火葬場へついたら故人を荼毘に付します。火葬には1時間から2時間程度を要するため、遺族は火葬場の待合室で待機します。
火葬を終えたら、遺族が2人1組でお骨を拾い上げ、骨壺へ納める「収骨」を行います。最後に「埋葬許可証」と骨壺を受け取り、一連の儀式は終了となります。
なお、火葬の後に食事会である「精進落とし」をする場合もあります。
告別式の服装のマナー
告別式には、どのような服を着用すればよいのでしょうか?ここでは、男性・女性・子どもそれぞれについて解説します。
男性の服装
男性は、ブラックスーツまたはダークスーツに、白無地のワイシャツと黒色のネクタイを着用するのが基本です。足元は光沢のない黒の革靴とし、靴下も黒を着用します。
また、結婚指輪以外のアクセサリーは外し、ネクタイピンもつけません。
女性の服装
女性は、黒色または黒に近い落ち着いた色のワンピースまたはアンサンブル、スーツを着用します。足元は光沢のない黒色の靴とし、黒色のストッキングを着用します。
また、原則として結婚指輪以外のアクセサリーはつけません。ただし、真珠の一連のネックレスは着用して問題ないとされています。
なお、鞄も黒で光沢のないものを選び、全体的に華美とならないよう注意します。
子どもの服装
子どもは、学校や幼稚園の制服がある場合には、これを着用します。制服がない場合は、黒色など落ち着いた色の上着とズボン(またはスカート)と、白のシャツまたはブラウスを着用します。
足元もできるだけ黒色などの靴や靴下を着用し、光沢のあるものやキャラクターものは避けましょう。未就学児の場合には、落ち着いた色の服装であれば問題ありません。
喪主が行うべき告別式の主な準備
葬儀・告別式に備え、喪主はさまざまな準備が必要となります。ここでは、喪主が行うべき主な準備について、概要を解説します。
- 弔辞の依頼
- 弔辞や弔電の順番の確認
- 席次の確認
- 火葬場へ同行する人数の把握
- 挨拶の内容検討
なお、行うべき準備は葬儀の規模や状況などによって異なる可能性があります。そのため、実際の告別式に際しては、必要な準備についても葬儀社の担当者に確認するとよいでしょう。
家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。はじめて喪主となる方も安心して葬儀・告別式に臨めるよう、担当者がサポートいたします。
ご家族が亡くなりお困りの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は、24時間365日受付中です。
弔辞の依頼
1つ目は、弔辞の依頼です。
一般葬の場合、告別式の中で弔辞をお願いする相手を選定して依頼します。弔辞は、仕事の関係者や友人など、故人と近しい者に依頼しましょう。複数人に依頼する場合にはできるだけ関係性が偏らないよう、「仕事の関係者から1人と、友人から1人」などバランスへの配慮が必要です。
弔辞や弔電の順番の確認
2つ目は、弔辞や弔電の順番の確認です。
複数の相手に弔辞を依頼している場合には、順序を確認します。また、弔電をいただいた場合には読み上げる弔電を選定したり、読み上げる順序を確認したりします。
失礼のないよう、弔辞や弔電の順番は故人との関係性などに配慮しつつ、葬儀社の担当者に相談したうえで決めるとよいでしょう。
席次の確認
3つ目は、席次の確認です。
葬儀・告別式では祭壇に最も近い位置に喪主が座り、続いて遺族・親族と故人との血縁が近い順に座るのが原則です。
この後方に、一般参列者が座ることとなります。喪主は、葬儀社の担当者へ相談したうえで、遺族や親族の席次を確認しておきましょう。
火葬場へ同行する人数の把握
4つ目は、火葬場へ同行する人数の把握です。
先ほど解説したように、火葬場へは参列者全員が同行するのではなく、一定の近親者のみが出向きます。人数によってはマイクロバスの手配などが必要となるため、あらかじめ交通手段や人数を確認しておかなければなりません。
なお、火葬の後で精進落としをする場合には人数分の食事を手配する必要もあるため、この点からも人数の確認が必要です。
挨拶の内容検討
5つ目は、喪主挨拶の内容の検討です。
告別式では、出棺の前に喪主が挨拶することが一般的です。しかし、よほど人前でのスピーチなどに慣れている人でない限り、即興で挨拶をすることは困難でしょう。また、通常のスピーチなどとは異なり、告別式での挨拶では忌み言葉などにも注意しなければなりません。
忌み言葉とはその場面において縁起が悪いとして避けられる表現であり、葬儀や告別式の場では次の表現などが忌み言葉とされています。
- 不幸が繰り返されることを連想させる言葉:「続けて」「引き続き」「繰り返し」「重ねて」「追って」など
- 同じ表現を繰り返す言葉(不幸が繰り返されることを連想させるため):「重々」「重ね重ね」「続々」など
- 生死を直接的に表現する言葉:「死ぬ」「死んだ」「生きていたころ」など
- (仏教の場合)成仏できないことを暗示させる言葉:「迷う」「浮かばれない」など
ほかに、異なる宗教の表現を使わないようにも注意しなければなりません。たとえば、「成仏」や「供養」「冥福」などは仏教ならではの表現であり、神式の葬儀やキリスト教式の葬儀で使うことには違和感があります。
喪主挨拶で失敗しないためにはあらかじめ喪主挨拶の内容を検討し、メモを作成しておくことをおすすめします。
なお、喪主挨拶はメモを見ながら話しても問題ありません。ただし、メモは紙のものとし、スマートフォンなどを確認しながら話すことは避けたほうがよいでしょう。
告別式の喪主挨拶の例
告別式で行う喪主挨拶は、どのような内容とすればよいのでしょうか?ここでは、告別式の喪主挨拶の例文をケースごとに2つ紹介します。挨拶の内容に迷ったら、葬儀社の担当者に相談するとよいでしょう。
シンプルな挨拶
シンプルな告別式での喪主挨拶の例は、次のとおりです。
本日はお忙しいところ父・葬儀太郎のためにご会葬くださいまして、誠にありがとうございます。
おかげさまで告別式も滞りなく済み、間もなく出棺の運びとなりました。
このように多くの皆様方にお見送りいただき、父もさぞかし喜んでいることと存じます。
ここに、生前のご厚情に厚く御礼申し上げます。
私ども遺族・親族も故人の遺志を継ぎ精一杯頑張っていく所存でございますので、今後とも変わらぬご指導のほどをお願い申し上げ、簡単ではございますがご挨拶とさせていただきます。
本日は最後までお見送りいただきまして、誠にありがとうございました。
亡くなった原因などには特に触れず、生前の親交や参列への感謝を伝える内容となっています。
亡くなった原因などに触れる挨拶
亡くなった原因などに触れる喪主挨拶の例は、次のとおりです。ここでは、闘病の末に亡くなった場合の例を紹介します。
本日はお忙しいところ、父・葬儀太郎の葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで滞りなく進行し、間もなく出棺の運びとなりました。
遺族・親族を代表いたしまして、一言ご挨拶させて頂きます。
父は3年前に肺がんを患って以来、闘病生活を送っておりました。
何とか回復してくれることを願っておりましたが思いはかなわず、私ども家族が見守るなか、〇月〇日、〇〇病院にて逝去いたしました。〇歳でした。
存命中はひとかたならぬご厚情を賜り、本日はこのように多くの方にお見送りいただき、父もさぞよろこんでいることと存じます。
後に残されました私ども遺族・親族に対しましても、故人生前中と同様のご厚誼をいただきますようお願い申し上げます。
はなはだ簡単ではございますが、これをもちましてお礼の挨拶にかえさせていただきます。
本日は最後までお見送りいただき、誠にありがとうございました。
ご逝去の原因や状況などを簡単に伝えるとともに、参列者への感謝を述べる内容となっています。
告別式と同日に繰り上げ初七日を行う場合も多い
初七日法要とは、ご逝去から7日目に行う法要です。仏教では本来、亡くなってから7日ごとに法要を営みます。これは、故人の魂が極楽浄土へ行けるか否かについて7日ごとに審判がされるとの考えによるものです。
その7回目が七七日(しちしちにち・なななぬか)にあたり、これが四十九日法要(七七日法要)にあたります。
しかし、近年では多忙な人も増えていることや宗教観の変化などにより、7日ごとにしっかりと法要を営むケースは少なくなっているようです。特に、初七日法要は葬儀・告別式と日にちが近いことも多く、改めて参列するとなれば遠方の参列者にとって負担となりかねないでしょう。
そこで、葬儀・告別式と同日に初七日法要を執り行うケースが増えています。最後に、葬儀・告別式当日に初七日法要を行う2つのパターンを紹介します。
当日に初七日法要を行う場合、葬儀社の担当者や僧侶などに全体の流れを確認しておくことをおすすめします。
戻り初七日の場合
1つ目は、戻り初七日法要です。これは、火葬場で骨上げまでを行った後、告別式を行った斎場に戻って初七日法要を行うものです。移動時間が必要となるため、タイムスケジュールに注意しなければなりません。
式中初七日の場合
2つ目は、式中初七日法要です。これは、僧侶による葬儀での読経に続けて、初七日の読経も行うものです。「繰り込み初七日法要」と呼ばれることもあります。
まとめ
告別式の概要や全体の流れ、喪主挨拶の例などについて解説しました。
告別式とは、故人と最期のお別れをする式典です。宗教的なお別れの儀式を「葬儀」と呼ぶのに対し、告別式は宗教的な意味合いがない点で異なります。とはいえ、葬儀と告別式は続けて営まれることが一般的であり、厳格には分けられていないことが多いでしょう。
告別式の流れや注意点なども解説したものの、これらは宗派や地域などによって異なる場合があります。そのため、実際の葬儀・告別式においては葬儀社の担当者と相談したうえで、流れなどを確認しておくことをおすすめします。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。各プランの料金には葬儀の施行に最低限必要な物品やサービスをすべて含んでいるため、不明瞭な追加料金を心配することなく故人のお見送りが可能です。
ご家族が亡くなり信頼できる葬儀社をお探しの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は24時間365日お受けしており、深夜や早朝であってもご遠慮いただく必要はございません。
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