出棺の挨拶の例文は?エピソードは入れるべき?そのまま使える文例を紹介

出棺の挨拶の例文は?エピソードは入れるべき?そのまま使える文例を紹介

お通夜や葬儀では、喪主が参列者の前で挨拶すべき場面が多数あります。そのうちの一つが「出棺の挨拶」です。

出棺の挨拶は一般的にどのタイミングで行うのでしょうか?また、出棺の挨拶では、どのような内容を話せばよいのでしょうか?

今回は、出棺時の喪主挨拶の例を紹介するとともに、出棺の挨拶のタイミングや出棺の挨拶で失敗しないポイントなどについてくわしく解説します。

出棺の挨拶のタイミングは?一般的な流れ

喪主による出棺の挨拶は、葬儀・告別式のうちどのタイミングで行うものなのでしょうか?はじめに、告別式の全体の流れを紹介するとともに、出棺の挨拶をするタイミングを紹介します。

  • 告別式の開始
  • 読経・お焼香
  • お別れ花
  • 釘打ち
  • 出棺の挨拶
  • 出棺

告別式の開始

あらかじめ定めた時間に、告別式が開始されます。

告別式は火葬と同日、火葬の前に行うため、午前10時や11時頃が開始時間となることが多いでしょう。ただし、火葬場の予約時間によっては、これとは異なる時間に開始することもあります。

読経・お焼香

告別式の開始後は、僧侶による読経やお焼香などがなされます。続けて、喪主や遺族、親族、参列者も焼香をします。

なお、「葬儀」と「告別式」は明確に区分せず一連の流れで行われることが多いものの、あえて両者を区分するとすれば、この読経や僧侶によるお焼香の部分が「葬儀」にあたります。「告別式」は故人との別れを惜しむ儀式全般を指す一方で、「葬儀」は宗教的な儀式を指す言葉であるためです。

お別れ花

次に、棺の中に花を入れる儀式です。

お別れ花は、遺族や親族など故人と関係の深い者が手向けることが多いでしょう。ここが、故人のお顔を見られる最後のタイミングとなります。

釘打ち

次に、「釘打ち」を行います。釘打ちとは、棺を安全に運べるよう、棺の蓋を固定するものです。また、故人が無事に三途の川を渡れるようにとの願いも込められています。

従来の釘打ちは、三途の川の石に見立てた石で釘を打ち付けるものでした。しかし、近年では石ではなく、金槌で行うことが増えています。また、棺の性能も向上しており運ぶ途中で蓋が外れる可能性も低くなっており、今では遺族が気持ちに区切りをつける儀式としての意味合いが強くなっているといえるでしょう。

なお、浄土真宗など、釘打ちを行わない宗派もあります。

出棺の挨拶

釘打ちを終えると、ここで喪主が出棺の挨拶をします。出棺の挨拶と、棺を霊柩車に乗せることのいずれが先であるかは宗派や地域などによって異なるため、あらかじめ葬儀社の担当者に確認しておくと安心です。

出棺

最後に出棺となり、告別式が終了します。

なお、出棺後は遺族など一部の近親者だけが火葬場へと向かい、ご遺体を荼毘(だび)に付します。火葬には1時間から2時間程度がかかるためその間は待合室などで待機し、火葬を終えたら骨上げをします。

なお、ここで解説をしたのは仏式における一般的な流れであり、宗教や宗派によって流れは異なる場合があります。そのため、実際の流れについては、葬儀社の担当者にご確認ください。

家族葬のアイリスでは24時間365日体制でお電話をお受けしております。ご家族のご危篤やご逝去でお困りの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。

出棺の喪主挨拶の例文

出棺時の喪主挨拶では、どのようなことを話せばよいのでしょうか?ここでは、出棺の喪主挨拶の例文を4つ紹介します。

なお、ここで紹介するのは比較的シンプルな一般的な内容です。故人にまつわるより具体的なエピソードがある場合にはエピソードを盛り込むと、より故人のお人柄が伝わりやすくなります。

出棺の挨拶例文1:シンプル

死因などを伝えないシンプルな挨拶の例は、次のとおりです。

 

本日はお忙しいところ、父 葬儀太郎 のためにご会葬いただきまして、誠にありがとうございました。

おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく済み、間もなく出棺の運びとなりました。

このように多くの皆様方にお見送りいただき、父もさぞかし喜んでいることと存じます。

父に代わりまして生前のご厚情に心より御礼申し上げますとともに、私ども遺族・親族に対しましても、今後とも変わらぬお付き合いの程をお願い申し上げます。

簡単ではございますが、お礼の挨拶にかえさせていただきます。

本日は最後までお見送りいただきまして、ありがとうございました。

 

亡くなった原因などについては特に触れず、参列者への感謝や今後の変わらぬお付き合いをお願いする内容です。

出棺の挨拶例文2:闘病の末に亡くなった場合

故人が闘病の末に亡くなった場合において、その旨を伝える出棺挨拶の例文は、次のとおりです。

 

本日はご多用中のところ、父 葬儀太郎 の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで告別式も滞りなく済み、間もなく出棺の運びとなりました。

遺族・親族を代表いたしまして、一言ご挨拶させて頂きます。

父は5年前に病気を患って以来、入退院を繰り返しておりました。

回復を願っておりましたが思いはかなわず、私ども家族が見守るなか、〇月〇日に逝去いたしました。

存命中はひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

このように多くの皆様方にお見送りいただき、父もさぞかし喜んでいることと存じます。

後に残されました私ども遺族・親族に対しましても、故人生前中と同様のご指導ご鞭撻をいただきますようお願い申し上げます。

簡単ではございますが、お礼の挨拶にかえさせていただきます。

本日は最後までお見送りいただきまして、ありがとうございました。

 

より具体的に、「癌」など故人の病名を伝えることもあります。

出棺の挨拶例文3:高齢で亡くなった場合

故人が高齢で亡くなった場合の出棺挨拶の例文は、次のとおりです。

 

本日はお忙しい中、父 葬儀太郎 のためにご会葬いただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで葬儀・告別式も滞りなく済み、間もなく出棺の運びとなりました。

遺族・親族を代表いたしまして、一言ご挨拶させて頂きます。

父は〇月〇日の〇時ごろ、自宅の布団にて静かに息を引き取りました。享年〇〇歳と、大往生でございました。

父が充実した人生を送ることができましたのはひとえに皆様方のおかげと、深く感謝しております。

父に代わりまして生前のご厚誼に心より御礼申し上げますとともに、私ども遺族・親族に対しましても、今後とも変わらぬお付き合いの程をお願い申し上げます。

簡単ではございますが、お礼の挨拶にかえさせていただきます。

本日は、誠にありがとうございました。

 

なお、「大往生」という言葉は遺族側が使う分には問題がない一方で、他者が遺族に向けて使う言葉としては適しません。他人が使えば「長生きしたのだから、もう十分だろう」という意味で伝わりかねず、遺族の悲しみを深くさせるおそれがあるためです。

ここでは、遺族が出棺の挨拶をすることを想定しているため、「大往生」という言葉を用いています。

出棺の挨拶例文4:急逝であった場合

急逝であった場合における出棺挨拶の例文は、次のとおりです。

 

本日はお足元の悪いなか父 葬儀太郎 の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで告別式も滞りなく済み、間もなく出棺の運びとなりました。

ここで遺族・親族を代表いたしまして、一言ご挨拶させて頂きます。

父は〇月〇日の〇時ごろに自宅内で突然倒れ、意識不明となりました。

すぐに病院に搬送されましたが病院に到着した時にはもう意識がなく、そのまま帰らぬ人となりました。

父に代わりまして生前のご厚誼に心より御礼申し上げますとともに、私ども遺族・親族に対しましても、今後とも変わらぬお付き合いの程をお願い申し上げます。

簡単ではございますが、お礼の挨拶にかえさせていただきます。

本日は最後までお見送りいただきまして、誠にありがとうございました。

 

なお、急性であっても自死や事故などである場合などには、あえて死因を伝えないことが少なくありません。

出棺の挨拶のポイント

出棺の挨拶で失敗しないためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?最後に、出棺の挨拶のポイントを4つ解説します。

  • ゆっくり落ち着いて話す
  • 忌み言葉を伝える
  • 参列者への感謝を伝える
  • 宗教観を理解しておく

ゆっくり落ち着いて話す

1つ目は、ゆっくり落ち着いて話すことです。

喪主による出棺の挨拶は、無理に流暢に話す必要はありません。故人を亡くされた悲しみの中にあることは、参列者も皆わかっています。

また、喪主挨拶は自身をアピールする場でもありません。そのため、流暢に話すことよりも、参列者に伝わるようゆっくり落ち着いて話すよう心がけることをおすすめします。

なお、不安である場合にはメモを見ながら話しても問題ありません。ただし、たとえメモ機能を使っているのだとしても、携帯電話やスマートフォンを見ながら出棺の挨拶をすることは避けた方がよいでしょう。

忌み言葉を伝える

2つ目は、忌み言葉を避けることです。

忌み言葉とは、その場面において縁起が悪いと考えられ、避けるべきとされる言葉です。出棺の挨拶など葬儀の場面で避けるべきとされている主な忌み言葉は、次のとおりです。

  • 生死を直接的に表す言葉:「死んだ」「死ぬ」「生きていた頃」など
  • 不幸が続くことを連想させる言葉:「繰り返し」「引き続き」「続けて」「続いて」「追って」「重ねて」など
  • 同じ表現を繰り返す言葉(不幸が続くことを連想させるため):「続々」「返す返す」「重ね重ね」「重々」など

また、仏教では「迷う」や「浮かばれない」が忌み言葉となります。なぜなら、これらの言葉は成仏できないことを連想させるためです。

ただし、これらの言葉を特に避けるべきであるのは、参列者から遺族などへお悔やみを述べる場面です。喪主挨拶においてもできる限り避けるべきではあるものの、そこまで神経質になる必要はないでしょう。心配であれば、先ほど解説したように、あらかじめメモを用意しておくと安心です。

参列者への感謝を伝える

3つ目は、参列者への感謝を伝えることです。

出棺の挨拶では、参列者に感謝を伝えることを主眼に置きましょう。先ほど紹介した例のように冒頭でまず参列への感謝を述べたうえで、最後も「ありがとうございました」で締めるとよいでしょう。

併せて、状況に応じて故人との生前の付き合いや心遣いを頂いたことなどへの感謝を伝えるとともに、今後も遺族に対して変わらぬ付き合いや指導をお願いしたい旨を伝えると、より感謝の意が伝わりやすくなります。

宗教観を理解しておく

4つ目は、宗教観について理解しておくことです。

「死」への考え方は宗教や宗派によって異なります。たとえば、「冥福」や「成仏」、「供養」などは仏教ならではの考え方であり、神式やキリスト教式の場合には使いません。また、宗派によっても死の捉え方が微妙に異なることがあります。

一方、キリスト教では死を「天に召される」と考え、神道では死を「子孫の守り神になる」と考えることが一般的です。

宗教観を大まかにでも理解しておくことで、葬儀でうっかりそぐわない言葉を使ってしまう事態などを避けやすくなります。また、その宗教による死の捉え方は、故人の死と向き合うヒントとなるかもしれません。

まとめ

出棺の挨拶のタイミングや出棺挨拶のポイントを解説するとともに、出棺の挨拶の例を紹介しました。

葬儀・告別式では、出棺前のタイミングで喪主が挨拶をすることが一般的です。喪主挨拶では参列者へのお礼を伝えるとともに、無理のない範囲で故人の最期の様子や亡くなった原因、人柄を表す生前のエピソードなどを盛り込むとよいでしょう。

出棺の挨拶に不安がある場合には、メモを確認しながら話しても構いません。忌み言葉や異なる宗教用語を使わないよう注意しつつ、落ち着いてゆっくり話すことを心掛けることをおすすめします。

家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、ご逝去のご連絡をいただいた際には担当者がすぐに駆けつけてサポートを開始します。全国の斎場と提携をしているため、その地域の事情や宗派に則した出棺の挨拶に関するご相談も可能です。

ご家族が亡くなりお困りの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。お電話は24時間365日お受けしており、深夜や早朝であってもご遠慮いただく必要はありません。