葬儀費用は「分割払い」できる?分割払いする主な方法をわかりやすく解説

葬儀では、まとまった費用が必要となります。そのため、葬儀費用を一括で支払うことが難しい場合もあるでしょう。
では、葬儀費用は分割払いにできるのでしょうか?また、葬儀費用の分割払いが難しい場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
今回は、葬儀費用を分割払いとする方法や分割払いが難しい場合の対処法、葬儀費用をできるだけ抑える方法などについてくわしく解説します。
「家族葬のアイリス」は全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、葬儀の分割払いや費用負担を軽減した葬儀に関するご相談もお受けしています。葬儀費用の支払いに不安がある場合には、家族葬のアイリスまでご相談ください。
葬儀費用の相場・目安
葬儀費用の目安は、110万円程度といわれています。
また、経済産業省が実施している「特定サービス産業動態統計調査」によれば、葬儀社全体の2024年12月における売上総額は、577億2,100万円でした。これを、葬儀の取扱総数である47,628件で割ると、葬儀1件あたりの葬儀社の平均売上(つまり、喪主側から見ると平均葬儀費用)は約121万円となります。あくまでも「平均値」であり、一部の高額な葬儀が平均額を多少押し上げている可能性はあるものの、参考となるでしょう。
また、葬儀費用は葬儀形態によっても大きく左右されます。一般的には、通夜と葬儀の2日間の葬儀であり一般参列者も招く「一般葬」である場合に、葬儀費用は高くなる傾向にあります。
一方で、参列者を限定した「家族葬」である場合や、通夜を営まない「1日葬」、通夜や葬儀を営まず火葬だけを行う「直葬」などの場合には費用を抑えやすくなります。
家族葬のアイリスではさまざまな葬儀プランを設けており、一般葬プランのほか家族葬プランや1日葬プラン、直葬プランなどリーズナブルな葬儀プランも用意しています。葬儀費用の支払いに不安がある場合には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
葬儀費用の基本
続いては、葬儀費用の基本的な内容について解説します。
いつ支払う?
葬儀費用を支払う時期は、葬儀社によって異なります。一般的には葬儀の施行後に請求書が発行され、葬儀から1週間から10日後くらいが支払い期限とされることが多いでしょう。
なお、葬儀に関連する費用には葬儀社に支払う費用のほか、火葬場に支払う料金や僧侶へのお布施、会食費用などがあります。火葬場の料金やお布施は後から請求書が発行されるのではなく、その場で現金で支払うことが一般的です。会食費もその場で支払うことが多いものの、お店によってはクレジットカードが使えることもあります。
誰が支払う?
葬儀費用を支払う人について、法律で明確な決まりはありません。ただし、社葬のように葬儀の責任者である「喪主」と費用の負担者である「施主」とが明確に分かれていない限り、喪主が葬儀費用を負担することが一般的です。
喪主以外の親族が負担することもあるものの、他の親族が「喪主が払うもの」と考えている可能性もあるため、複数人での負担を検討している場合には他の親族に事前に相談しておくべきでしょう。
故人の預金から直接支払える?
葬儀費用を、故人の預貯金から支払いたいと考える場合もあるでしょう。しかし、これは容易ではありません。
まず、故人の預貯金口座は、金融機関が故人のご逝去を知った時点で凍結されます。いったん口座が凍結されると、そこから正式に預金を引き出すには、原則として故人の出生までさかのぼる戸籍謄本や除籍謄本のほか、相続人全員で遺産の分け方について合意したことを称する「遺産分割協議書」などを提出しなければなりません。葬儀費用の支払い時期までにこれを間に合わせることは、現実的ではないでしょう。
また、金融機関が故人のご逝去を知る前であれば、暗証番号を知っている遺族が故人のキャッシュカードを使って預貯金を引き出すことは事実上可能ではあります。しかし、この方法もおすすめできません。なぜなら、口座名義人以外がキャッシュカードを使って預金を引き出すことは、金融機関の約款で禁じられていることがほとんどであるためです。
また、無断で預金を引き出すと、他の親族などから「遺産を盗んだ」などと疑われ、相続トラブルの原因となるおそれもあります。
そのため、故人の遺産から葬儀費用を支払う場合であっても、はじめから故人の預金を支払いに充てるのではなく、いったん喪主などが立て替えることが原則です。そのうえで、遺産分けの話し合い(「遺産分割協議」といいます)において、葬儀費用分だけ多めに遺産の配分を受けるよう交渉することとなるでしょう。
葬儀費用を分割する主な方法
葬儀費用を分割払いするには、どのような方法があるのでしょうか?ここでは、分割払いをする主な方法を4つ紹介します。
- 葬儀社へ直接分割払いをする方法
- クレジットカードの分割払い
- 葬儀ローン
- 金融機関のフリーローン
葬儀社へ直接分割払いをする方法
1つ目は、葬儀社へ直接分割払いする方法です。ただし、直接的な分割払いには対応していない葬儀社も多いため、ご希望の際には事前に確認しておく必要があるでしょう。
クレジットカードの分割払い
2つ目は、クレジットカードの分割払いです。
葬儀社がクレジットカード払いに対応している場合、分割回数の設定により分割払いが可能となります。ただし、カードの利用上限額を超過しないようご注意ください。
葬儀ローン
3つ目は、葬儀ローンです。
葬儀ローンとは、葬儀代金の支払いに特化したローンのことです。銀行などの金融機関で申し込めるほか、葬儀社が信販会社などと提携し提供していることもあります。
審査はあるものの審査期間が比較的短いことが特徴であり、申し込み後1時間から2時間程度で結果が出ることも少なくありません。ただし、7%から10%程度の利息がかかることに注意が必要です。
金融機関のフリーローン
4つ目は、金融機関のフリーローンです。
フリーローンとは用途を問わずに活用できるローンのことであり、金融機関や消費者金融などが展開しています。ただし、消費者金融の場合には利息が高く設定されているため、最終的な支払額をよく確認したうえで活用すべきでしょう。
葬儀費用を分割払いにする場合の主な注意点
葬儀費用を分割払いとする場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を4つ解説します。
- クレジットカードなどには利用上限額がある
- 無理のない返済計画を立てる
- 葬儀費用の中には分割払いにできないものもある
- 分割払いだからといって不要なオプションを付けない
クレジットカードなどには利用上限額がある
葬儀費用をクレジットカードで分割払いにしようとしている場合には、クレジットカードの利用限度額に注意しなければなりません。葬儀費用は日常の買い物と比較して高額であるため、利用限度額を超えている可能性があります。
支払い期限間際になってから限度額超過で支払えないことがわかり慌てないためにも、あらかじめ利用限度額を確認しておくことをおすすめします。
無理のない返済計画を立てる
分割払いとする場合には、無理なく支払える返済計画を立てましょう。月々の支払金額が多ければ支払いに苦慮し、生活を圧迫するおそれがあります。
葬儀費用の中には分割払いにできないものもある
葬儀費用を分割払いとできる場合であっても、葬儀費用のすべてが分割払いの対象となるわけではありません。原則として宗教者に支払うお布施は、その場で現金で支払うことが原則です。
また、会食費などは食事をする店などに直接支払う場合も多く、分割払い(クレジットカード払い)ができるか否かはそのお店によって異なります。葬儀費用を分割払いにできる場合であっても、分割払いができない費用は一括で用意すべきであることには注意が必要です。
分割払いだからといって不要なオプションを付けない
葬儀費用が分割払いにできる場合、支払いに余裕が生まれやすいことから、気が大きくなってしまうかもしれません。しかし、分割払いにしたとしてもいずれはその費用を支払う必要があるため、オプションを突けるか否かやグレードアップするか否かは慎重に検討した方がよいでしょう。
信頼できる葬儀社に依頼した場合には予算に応じて最適な葬儀プランを提案してもらえるため、その場の勢いで不要なオプションを付ける事態を避けやすくなります。
家族葬のアイリスはさまざまな葬儀プランを設けており、予算や希望に応じた最適な葬儀プランを提案します。各プランにはそのプランでの葬儀の最低限必要な物品・サービスをすべて含んだ料金を提示しており、不明瞭な追加料金を請求することはありません。
葬儀費用の分割払いが難しい場合の対処法
葬儀費用の分割払いが難しい場合は、どのように対処すればよいのでしょうか?ここでは、主な対処方法を6つ解説します。
- 埋葬料や葬祭費を支払いに充てる
- 親族から借り入れる
- 香典を葬儀費用の支払いに充てる
- 故人の生命保険金から支払う
- 預金の仮払い制度を活用する
- 葬祭扶助制度の利用を検討する
埋葬料や葬祭費を支払いに充てる
1つ目は、埋葬料や葬祭費を支払いに充てる方法です。
これらは、故人が加入していた健康保険や国民健康保険などから喪主に対して支払われる金銭です。金額は5万円前後(自治体によって変動あり)であり葬儀費用のすべてを賄うことは難しいものの、支払いの補填とはなるでしょう。
親族から借り入れる
2つ目は、親族から借り入れる方法です。
親族に事情を説明することで、費用を借りられる可能性があります。葬儀費用を貸してくれそうな親族がいる場合には、相談してみるとよいでしょう。
香典を葬儀費用の支払いに充てる
3つ目は、香典を葬儀費用の支払いに充てる方法です。通夜や葬儀への参列者が香典をくれた場合、これを葬儀費用の支払いに充てることができます。
ただし、四十九日の忌明けには原則として香典返しが必要であるため、香典返しに必要な金額は残しておく必要があるでしょう。香典返しの目安は、いただいた金額の1/2から1/3程度です。
故人の生命保険金から支払う
4つ目は、故人の生命保険金から支払う方法です。
故人が生命保険をかけており、受取人が指定されている場合、受取人が1人だけで保険金の支払いを請求できます。故人の預金などとは異なり他の相続人と分け合う必要もないことから、他の相続人の合意を得る必要もありません。
請求から支払いまでにかかる期間は保険会社によって異なるため、あらかじめ保険会社に支払いまでの日数を確認したうえで早期に請求手続きを進めるとよいでしょう。
預金の仮払い制度を活用する
5つ目は、相続預金の仮払い制度を活用する方法です。
先ほど解説したように、凍結された故人の口座から正式に預金を引き出すには、原則として相続人全員による遺産分割協議が必要です。しかし、遺産分割協議の成立前であっても、次のうちいずれか低い金額であれば、他の相続人の協力を得ることなく引き出すことができます。
- 相続開始時の預金額×1/3×払戻し手続きをする相続人の法定相続分
- 150万円
ただし、この手続きをするには自身の法定相続分を証明する必要があることから、相続人を確定するための戸籍謄本や除籍謄本などを提示しなければなりません。また、あくまでも「仮払い」であり、後の遺産分割において考慮されることにも注意が必要です。
たとえば、故人の遺産総額が1,000万円、相続人が長男と二男の2人であり長男が100万円の仮払いを受けた場合、後から行う遺産分割では、残った900万円を1/2ずつで分けるのではなく、元々あった1,000万円を1/2ずつに分けるということです。
長男は先に100万円の仮払いを受けているため、後で行う遺産分割においては400万円(=1,000万円×1/2-100万円)しか受け取ることができません。
預金の仮払い制度には注意点が少なくないため、利用を検討する際はあらかじめ弁護士などの専門家へ相談するとよいでしょう。
葬祭扶助制度の利用を検討する
6つ目は、葬祭扶助制度を検討することです。葬祭扶助制度とは、金銭的に困窮しており葬儀費用の捻出が難しい場合に、事前に申請することで葬儀費用が補填される制度です。
ただし、葬祭扶助の対象となる葬儀は生活保護法で決められており、通夜や葬儀・告別式をせず火葬だけを行う「直葬」のみが対象となります。また、事前申請が必須であり、葬儀を施行してから申請することはできません。
葬儀費用を抑える主なポイント
葬儀費用を分割払とすることが難しい場合には、葬儀費用をできるだけ抑える方法を検討することとなります。最後に、葬儀費用を抑える主なポイントを5つ解説します。
- 信頼できる葬儀社に依頼する
- 直葬や1日葬を検討する
- 家族葬を検討する
- 無宗教式とする
- 会食をしない
信頼できる葬儀社に依頼する
信頼できる葬儀社に依頼することで、オプションやグレードアップを無理にすすめられる事態を避けられるほか、予算に応じて葬儀プランを提案してもらうことも可能となります。また、不明瞭な追加料金を請求される事態も避けられます。
そのため、葬儀費用を抑えたい場合は、信頼できる葬儀社への依頼は必須といえるでしょう。
家族葬のアイリスはご希望に応じたさまざまな葬儀プランを用意しており、各プランでの葬儀施行に最低限必要な物品・サービスをすべて含んだ料金を提示しています。信頼できる葬儀社をお探しの際は、家族葬のアイリスまでご相談ください。
直葬や1日葬を検討する
葬儀費用を抑えるには、火葬だけを行う「直葬(火葬式)」や、通夜を行わずに葬儀・告別式と火葬だけを行う「1日葬」などを検討するとよいでしょう。
家族葬のアイリスは、ご希望に応じた最適な葬儀プランの提案が可能です。葬儀プランについてお困りの際は、お気軽にご相談ください。
家族葬を検討する
葬儀費用を抑えるには、家族葬も有力な選択肢となります。家族葬とは、近親者などに参列者を絞って行う葬儀です。一般参列者が参列しないため比較的小さな会場でよいことから、葬儀費用を抑えやすくなります。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、家族葬に対応した多くの斎場と提携しています。ご家族が亡くなりお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
無宗教式とする
故人や遺族に信仰する宗教がない場合には、無宗教式とすることも一つの方法です。無宗教式とした場合には僧侶などの手配が不要となるため、お布施分の費用を削減できます。
ただし、僧侶による読経などがないことが少しでも気にかかるのであれば、後悔する事態を避けるため、原則どおり宗教者を手配するべきでしょう。
会食をしない
葬儀費用を抑えるには、会食をしないことも検討するとよいでしょう。コロナ禍以降では会食をしないケースが増えているため、会食のない葬儀はさほど珍しいものではありません。
なお、会食をしない場合には持ち帰り用のお弁当などを用意することもあります。
まとめ
葬儀費用の分割払いの可否や分割払いをする方法、分割払いができない場合の対処法などを解説しました。
葬儀費用は、分割払いができる場合もあります。分割払いの方法としては、葬儀社に直接分割払いをする方法のほか、クレジットカードを活用する方法や葬儀ローンを組む方法などが挙げられます。
まずは葬儀社に相談し、分割払いの可否や葬祭ローンの紹介の可否などを確認するとよいでしょう。分割払いが難しい場合には他の支払い方法を検討するほか、葬儀費用を抑える方法を検討することをおすすめします。
家族葬のアイリスは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、費用を抑えた葬儀の提案も可能です。ご家族が亡くなり葬儀についてお困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。お電話は24時間365日受付中です。
最新の葬儀エピソード
- 老衰の死亡までの期間は?家族ができる準備やケアをわかりやすく解説
- 葬儀費用は「分割払い」できる?分割払いする主な方法をわかりやすく解説
- 葬儀の供花はどこに頼む?手配の方法と注意すべきマナーをわかりやすく解説
- 【2025】神社でお葬式はできる?神道の葬儀の流れ・マナーをわかりやすく解説
- 【2025】葬儀の段取り|準備・全体の流れをわかりやすく解説
- 【2025】葬儀社の選び方は?失敗しない選び方とポイントをわかりやすく解説
- 喪主は誰がやるべき?喪主の決め方と役割をわかりやすく解説
- 死亡の連絡方法は?訃報を伝える方法とハガキ・メールの文例をわかりやすく解説
- 葬儀費用が「払えない」場合はどうする?葬儀費用を安く抑えるコツをわかりやすく解説
- 亡くなってから葬儀までの日数・流れは?一般的な流れや日程をわかりやすく解説