【一覧】死亡後の手続きをわかりやすく解説!手続きの流れや期限を確認しよう

【一覧】死亡後の手続きをわかりやすく解説!手続きの流れや期限を確認しよう

家族などの親しい人が亡くなると、さまざまな手続きが必要になります。精神的、肉体的に疲弊している中で、しなければならないことは決して少なくありません。

手続きの種類や流れを把握しておけば、いざという時に混乱せずに対処できます。今回は、死亡後の手続きに関して詳しく解説します。

葬儀までの間にする手続き

まずは、亡くなってから葬儀までの間にしなくてはならない手続きについて解説します。

  • 死亡診断書・死体検案書を受け取る
  • 死亡届を提出する
  • 火葬許可申請を行う
  • 市区町村役場で火葬許可証を取得
  • 葬儀の打ち合わせを行う

死亡診断書・死体検案書を受け取る

亡くなった後すぐに必要となる書類が、医師から受け取る死亡診断書です。

死亡診断書とは、医師が作成する正式な書類です。死亡診断書は役所に死亡届を提出するために必要な書類の一つであり、その後もさまざまな手続きで必要となるため必ず受け取る必要があります。

死亡診断書には、次の情報が含まれます。死亡診断書の原本は1枚のみですので、何部かコピーを取っておくとよいでしょう。

  • 故人の基本情報:名前、生年月日、性別、住所など
  • 亡くなった日時:死亡診断が確定した日時
  • 亡くなった場所:病院、自宅など
  • 死因:病気、事故、といった具体的な死因
  • 診断・確認を行った医師の情報:医師の名前、勤務先など

死亡届を提出する

死亡診断書を受け取ったら、死亡届を提出します。死亡届の提出先は、原則として亡くなった方が居住していた市区町村役場です。

死亡届には提出期限があり、死亡の事実を知った日から7日以内に必ず提出する必要があります。手続きには、死亡診断書、届出人の本人確認書類などが必要となります。

火葬許可申請を行う

火葬許可申請とは、故人の遺体を火葬する際に必要となる許可を取得するための手続きです。死亡届を提出した後に市区町村役場で行います。この許可をもらって初めてご遺体の火葬を行うことができます。

火葬許可の申請は、死亡届を提出した人が行うことが多く、家族や親族が行うのが一般的です。死亡届を提出した市区町村役場で死亡診断書が必要となります。

市区町村役場で火葬許可証を取得

火葬許可の申請をして、書類に不備がなければその場で火葬許可証が発行されます。この書類は故人の遺体を火葬する際に必要となる許可証です。市区町村役場で発行され、火葬を行うための正式な許可書となります。

火葬場で火葬を行う際には、必ず火葬許可を提出しなければならず、この書類がないと、火葬を行うことができません。

葬儀の打ち合わせを行う

死亡診断書の受け取りと、死亡届の提出、火葬許可の申請と受け取りが終わったら、葬儀やお通夜の打ち合わせを行います。宗教や宗派、地域によってそれぞれの慣習や決まりがあるため、家族や親族で話し合ってどのような形での葬儀にするかを具体的に決めていきます。

まず、故人の訃報を知らない親戚や友人へ訃報の連絡をします。訃報の連絡については直接会う必要はなく、電話やメール、最近ではLINEなどのコミュニケーションツールを用いて訃報の連絡をしても失礼ではないとされています。

ただし、相手との関係や年齢にもよりますので、連絡手段に関しては慎重に選択する必要があります。メールやLINEを使用する場合は、句読点や言葉つがいに注意すること、そして絵文字や顔文字などの使用は避けてください。

訃報の連絡を終えたら、葬儀社との打ち合わせを行います。お通夜とお葬式の流れと日程、時間や、祭壇の配置、花の種類など細かい打ち合わせが必要です。また、家族葬にするのか一般葬にするのか、直葬にするのか。そして、宗派ごとの決まりについても葬儀社との打ち合わせをします。

打ち合わせの後、その日程通りに葬儀を執り行い、火葬して故人を見送ります。

葬儀後に家族が行う手続き:年金に関する手続き

葬儀が終わった後も、家族が行うべき手続きがあります。ここでは、葬儀後に家族が行う年金に関する手続きについて解説します。

年金受給停止の手続き(故人が年金を受け取っていた場合)

故人が年金受給者であった場合、年金受給停止の手続きが必要です。この手続きは10日以内(国民年金の場合は14日以内)に行う必要があります。

手続きを行う場所

  • 年金事務所・年金相談センター等

必要書類

  • 年金受給権者死亡届
  • 年金手帳
  • 死亡診断書や戸籍抄本、除票など死亡したことを証明する書類

提出期限

  • 厚生年金:死亡後10日以内
  • 国民年金:死亡後14日以内

年金受給停止の手続きは期限が短いため、葬儀が終わったらすぐにしなければならない手続きの一つです。手続きの窓口が解らない場合は、市役所や年金事務所などに問い合わせて申請先を確認してください。

国民年金の死亡一時金請求(国民年金の1号保険者で国民年金を受給していなかった場合)

故人が国民年金の1号保険者として国民年金を納めており、なおかつ国民年金を受給していなかった場合は、国民年金の死亡一時金請求ができます。この請求は2年以内で、申請すれば死亡一時金が支給されます。

申請先

  • 年金事務所・市役所等

必要書類

  • 故人の年金番号が解る書類
  • 故人した人と申請者の関係を証明する戸籍謄本
  • 住民票除票
  • 世帯全員の住民票

国民年金の死亡一時金は申請しなければ受給できません。必ず期限内に申請してください。

遺族年金

遺族が受給できる遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類の年金があり、受給できるかどうかは子供の有無や遺族の年齢、年収などでの条件で決まります。

申請場所

  • 年金事務所

必要書類

  • 故人の年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 住民票除票
  • 死亡診断書のコピー
  • 振込先の通帳
  • 印鑑

申請期限は5年で、申請をしなければ受給できません。必ず期限内に受給する遺族が申請を行ってください。

なお、遺族年金の受給者に関しては法律で定められており、譲渡することはできません。また、遺族年金は相続財産ではないため、相続放棄をしている場合でも遺族年金は受給できます。

故人の未支給年金の請求

故人が年金受給者であった場合、未払年金が発生しています。これは、年金が原則後払いであるためです。

死亡した月を含む2ヶ月分の年金については、亡くなった日にちにかかわらず全額支給されます。この未払い年金の申請期限は5年です。

手続きの場所

  • 年金事務所

必要書類

  • 未払年金の請求書

未支給年金の請求は、遺族年金とは別の制度です。遺族年金が対象外の場合でも受給できますので、故人が年金受給者であった場合は必ず請求してください。

税金関係の手続き

故人が個人事業主やフリーランス、副業などで収入を得ており、確定申告が必要であった場合は、相続人が故人に代わって確定申告と納税をしなければなりません。また、相続税が発生する場合も必ず申告が必要です。

所得税の準確定申告・納税

故人が所得税の確定申告を行っていた場合、亡くなって4ヶ月以内に、故人に代わって相続人が確定申告を行う義務が発生します。確定申告で税金の支払い義務が発生した場合、相続人が納税する必要があります。

故人の収入を洗い出して確定申告をしなければならないため、人によっては大きな作業負担となるケースがあります。

固定資産税の納税・現所有者申告

故人が不動産を所有しており固定資産税が発生している場合は、税金の支払い義務は相続人が引き継ぐこととなります。

また、故人の財産について誰が所有者となるかについても申告を行う必要があります。これを現所有者申告といいます。固定資産の所有者が変更される場合、現所有者は市区町村に対して所有者変更の申告を必ず30日以内に行わなければなりません。

固定資産税以外にも、故人に未払いの税金がある場合は、相続人が納税しなければなりません。

相続税の申告・納税

故人の財産を相続した場合は、相続税の申告が必要です。相続税の申告期限は相続が発生してから10ヶ月以内です。

ただし、相続には基礎控除があります。相続税が発生するのは、3,000万円+法定相続人数×600万円で算出される金額を超える相続がある場合のみです。相続をしたものの、金額が基礎控除額以内の相続である場合には、特に申告は必要ありません。

遺産相続の手続き:相続手続き

死亡後には、遺産相続の手続きも必要となります。故人の財産をどのように取り扱うかについての手続きが相続手続きです。ここでは、相続手続きについて解説します。

  • 相続人調査
  • 相続放棄・限定承認の検討と手続き
  • 遺産分割
  • 相続登記
  • 株式の名義変更
  • 自動車の売却、名義変更、処分(廃車)

相続人調査

まずは、相続人の調査をします。戸籍謄本などを取得し、法定相続人を確定させてください。効力がある遺言が残されている場合でも、法定相続人には遺留分という権利があるため、必ず相続人調査が必要です。

同時に、故人の遺言書を探す必要があります。遺言が公正証書遺言であればそのままで効力を発揮しますが、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は「検認」という作業が必要です。遺言書の検認とは、家庭裁判所に申請し、遺言書の内容を確認してもらうというものです。

続いて、相続財産の調査をします。亡くなった方の財産(不動産、預貯金、株式など)そして、借金などの負債を調査してどのような財産があるのかはっきりさせるという作業です。

相続放棄・限定承認の検討と手続き

相続の種類には、「相続放棄」「限定承認」「単純承認」があります。このうち、「相続放棄」と「限定承認」は亡くなった日から(亡くなったことを知った日から)3ヶ月以内という期限があります。

相続放棄とは、相続人が故人の相続財産を引き継がないというもので、すべての相続を放棄することができます。財産ももらえませんが、借金の支払いからも逃れられるため、負債を引き継ぎたくないという場合に選択されることが多い方法です。

限定承認とは、故人の借金を精算した上で、プラスの財産が残る場合にのみ相続するという方法です。財産と負債の両方がある場合に選択されることが多いのが限定承認です。

そして、3ヶ月を過ぎるとすべての財産を相続人が相続(単純承認)したことになるため、3ヶ月以内に財産の調査を行い、相続人を確定させて適切な対応をする必要があります。

遺産分割

故人の財産を相続する場合、相続人全員で遺産の分割方法を協議しなければなりません。必要に応じて遺産分割協議書を作成して、各相続人が署名・押印します。

不動産に関しては、故人名義のままにしておくことが法律で禁止されているため、すみやかに分割行儀をして名義変更する必要があります。

相続登記

故人名義の不動産がある場合、名義変更をします。相続による不動産の所有権移転という手続きを行って、相続人の名義に変更します。

また、銀行に預貯金がある場合は払い戻しの手続きをして、口座を解約します。

株式の名義変更

故人の株式がある場合も、分割協議書を作成して相続人名義に変更する手続きを行います。

自動車の売却、名義変更、処分(廃車)

故人が所有していた自動車については、相続人で対応を協議して売却、名義変更、処分(廃車手続き)などの手続きを行います。名義変更や売却をする場合は、分割協議書を作成して相続人全員が同意する必要があります。

その他の手続き

これまで解説した手続き以外にも必要な手続きがあります。最後に、その他の手続きについて解説します。

  • 故人のクレジットカードの停止・解約
  • 故人の運転免許の返納
  • 生命保険や医療保険の請求手続き
  • 故人名義の携帯電話や公共料金の名義変更
  • サブスク等のサービスの解約

故人のクレジットカードの停止・解約

故人がクレジットカードを利用していた場合は、すみやかにカード会社に連絡をしてカードの停止と解約、未払いがある場合は支払いをします。

クレジットカードの利用残高は、マイナスの遺産となります。そのため、相続放棄や限定承認を検討している場合は、すぐに支払いをせずにカード会社に事情を説明して支払いを延期してください。

相続放棄は、一部でも故人の借金を弁済した時点で選択できなくなってしまいます。故人のクレジットカードについてはすみやかな対応が必要ですが、クレジットカードの残債の支払いに関しては注意が必要です。

故人の運転免許の返納

故人の運転免許証ですが、警視庁によると運転免許証は必ずしも返納する必要はないとされています。

あえて手続きをするのであれば、運転免許証が有効期限内であった場合に更新の通知を停止する申請のみです。この停止の手続きをしないと免許更新のタイミングで故人あてにハガキが届きますので、この通知を止めたいという場合は申請をしてください。

通知停止の手続きができる場所は、警察署・運転免許更新センター・運転免許試験場で、手数料は必要ありません。故人の運転免許証と、亡くなったことを証明する書類(死亡診断書のコピー等)、申請する人の身分証明書が必要です。

参照元:亡くなられた方の運転免許証について(警視庁)

生命保険や医療保険の請求手続き

故人名義の生命保険や医療保険がある場合は、請求の手続きを行います。

ここで注意したいのが、生命保険の取り扱いです。生命保険は故人の相続財産であるかのように勘違いされることが多いですが、金額が故人の年収に見合わない金額でない限り、生命保険は相続財産ではありません。そのため、生命保険の受取人個人の財産となり、相続放棄をしていても生命保険は受け取ることができます。

また、法定相続人が生命保険の受取人になっている場合、生命保険で負の財産を相殺する義務はありません。故人名義の自動車保険がある場合、保険等級を相続人が引き継ぐことができますので、必要であれば保険会社や代理店で手続きを行ってください。

故人名義の携帯電話や公共料金の名義変更

故人名義で契約していた携帯電話や公共料金の解約もしくは名義変更の手続きは、各通信会社や市町村の窓口、電力会社、ガス会社などに個別に行います。

故人の携帯電話に関しては、亡くなった直後に解約すると友人・知人からの連絡が途絶えることとなり、訃報を知らせられないというデメリットがあります。そのため、故人の携帯電話に関しては、亡くなった後も一定の間は解約せずに残して置くことも検討してください。

サブスク等のサービスの解約

故人が契約していたサブスクなどは、必要なければすべて解約の手続きを行います。手続きは相続人が行うのが原則で、一つひとつサービスを調べて解約手続きをする必要があります。

故人がサブスクサービスを複数契約していた場合や、どのようなサービスを利用していたのか解らない場合は手間のかかる作業となります。故人のクレジットカードの利用履歴や、携帯電話やPCに残されたデータをもとに、故人が利用していたサービスを探して一つひとつ解約手続きを行います。

なお、未払いの料金が発生している場合は、相続人が支払い義務を負います。

まとめ

家族が死亡した場合、その直後からさまざまな書類の受け取りや提出、許可や調査などが必要です。心身共に負担がかかる中、決して少なくない手続きが必要です。

特に、相続の手続きに関してはさまざまな調査をへてすべての相続人の同意のもとで進めなければなりません。限定承認や相続放棄を選択する場合は、期限が設けられているため、スピード感を持った対応が求められます。

手続きの順番と優先順位、手続き流れを頭に入れて行動すれば、しなければならないことの全体像が見えて作業がわかりやすくなります。

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