家族葬とは?流れやメリット・デメリット、注意点をわかりやすく解説
近年、葬儀を家族葬で執り行うケースが増えています。家族葬の場合、参列者の対応に追われることなく故人とゆっくりお別れがしやすいほか、「費用が安い」とのイメージから選択することも多いでしょう。
そもそも「家族葬」とは、どのような葬儀を指すのでしょうか?また、家族葬を選択することにデメリットなどはあるのでしょうか?今回は、家族葬の概要やメリット・デメリット、家族葬にかかる費用や家族葬の基本の流れなどについて解説します。
家族葬とは
家族葬について、実は明確な定義はありません。一般的には、「家族だけで行う小規模な葬儀」を指すことが多いでしょう。ただし、参列者は必ずしも家族だけとは限らず、近しい親族や故人の親しくしていた友人までが参列する場合もあります。
家族葬が広まっている背景
家族葬が広まっている背景の一つに、少子高齢化が挙げられます。一般的に、故人が高齢であればあるほど、友人などお付き合いのあった者も高齢であるケースが多くなるでしょう。友人も高齢であれば入院中であったり疎遠になっていたりして、参列が困難なケースが増えやすくなります。
また、家族以外の親族や職場との関係が希薄となりつつある点も、家族葬が広まっている理由の一つといえるでしょう。参列者が少なければ、経済的によほど余裕のある場合を除き、盛大な葬儀は困難となります。
さらに、2020年頃から猛威を振るった新型コロナウイルスが、葬儀の小規模化に拍車をかけました。新型コロナ禍では多くの者が他者との接触を避ける行動を迫られました。その結果、葬儀も過密とならないよう、また高齢の参列者に負担をかけることのないよう、家族葬を選択するケースが増えたといえます。
「密葬」との違い
家族葬と混同されやすいものに、「密葬」があります。
密葬とは、一般参列者を招いて別途行う「本葬(お別れの会など)」を後日執り行うことを前提に、ひとまず家族などの近親者だけで行う葬儀を指します。そのため、本葬に多くの参列者が予想される政治家や著名人などが亡くなった場合に行われることが多いでしょう。
なお、以前は本葬を行わない場合において、家族などの近親者だけでひっそりと執り行う葬儀も「密葬」と呼ばれていました。しかし、単に「密葬」といった場合には、後日改めて本葬があるのか否かがわかりません。
そのため、家族など近親者だけで執り行う葬儀のうち、後日本葬を行わないものを、あえて「家族葬」と呼ぶようになったとの説もあります。
家族葬での参列者の範囲
家族葬の参列者の範囲に、明確な決まりはありません。故人と同居していた「家族」だけが参列する場合もあれば、故人の配偶者や子ども、孫、兄弟姉妹など、一定範囲の親族までが参列する場合もあります。
また、故人と親しくしていた友人がいる場合、一部の友人が参列する場合もあります。そのため、家族葬とする場合には、どの範囲の者までに葬儀の詳細を知らせるか、葬儀社の担当者などと打ち合わせたうえで検討しておく必要があるでしょう。
なお、家族葬のアイリスでは、対象地域に限り、ご家族のご危篤やお亡くなりのご連絡から1時間以内に駆けつけてサポート致します。早朝や深夜でも構いませんので、お困りの際はお気軽にご連絡ください。
家族葬の主なメリット
家族葬のメリットは、どのような点にあるのでしょうか?ここでは、家族葬の主なメリットを4つ解説します。
- 遺族が参列者対応に追われにくい
- 費用を抑えやすい
- 形式にとらわれない葬儀を実現しやすい
- 返礼品などの自由度が高い
遺族が参列者対応に追われにくい
1つ目は、遺族が参列者の対応に追われにくいことです。
一般葬とした場合には、多くの参列者が葬儀に訪れる可能性があります。ひっきりなしに弔問客が訪れれば遺族はその対応に追われ、ゆっくりと故人のお顔を見る間もなく時間が過ぎてしまうかもしれません。
一方で、家族葬の場合には参列者が限られるため遺族が参列者対応に追われづらく、故人との最後の時間をゆっくりと過ごしやすくなります。
費用を抑えやすい
2つ目は、費用を抑えやすいことです。
家族葬の場合や斎場のスペースや祭壇などが小さくなりやすく、多くの方への食事を用意する必要もありません。そのため、家族葬は一般葬と比較して、費用がかかりにくい傾向にあります。
ただし、「家族葬だから安い」と思い込んでいて安易に契約を締結すると、後から次々と加算がされたり家族葬では不要なものがプランに含まれていたりして、想定より費用がかかる事態となりかねません。ご家族が亡くなった直後は気が動転していることも多いと思いますが、葬儀社や葬儀プランは慎重に選択することをおすすめします。
家族葬のアイリスでは、家族葬に必要な物品やサービスをすべて含んだ定額プランをご用意しているため、後から余計な追加料金がかかる心配がありません。お身内が亡くなってお困りの際は、家族葬のアイリスまでご連絡ください。
形式にとらわれない葬儀を実現しやすい
3つ目は、形式にとらわれない葬儀を実現しやすいことです。
一般葬の場合は参列者が多く訪れる可能性があることから、いわゆる「一般的な」葬儀形態となりがちです。一方、家族葬の場合には近しい関係の者だけが集まるため、故人の趣味や意向などを反映した、形式にとらわれない葬儀を実現しやすくなります。
返礼品などの自由度が高い
4つ目は、返礼品などの自由度が高いことです。
葬儀では、参列者に対して「会葬返礼品」をお渡しすることが一般的です。一般葬の場合には、「どのようなお品であれが失礼にあたらないか」など、悩んでしまうケースも少なくないでしょう。
一方、家族葬の参列者は近しい者ばかりであるため、返礼品の自由度が高くなります。たとえば、故人の好きだったものや趣味にまつわるものなど、独自の返礼品を検討することも一つです。
家族葬の主なデメリット・注意点
家族葬を選択することには、デメリットもあります。ここでは、家族葬のデメリットと注意点を、4つ解説します。デメリットも理解したうえで、家族葬とするか一般葬とするかを検討するとよいでしょう。
- 親族から反対意見が出ることがある
- 後日、自宅への弔問客の対応に追われる可能性がある
- 参列者の範囲について不満が出る可能性がある
- 香典の額が一般葬より少なくなる傾向にある
親族から反対意見が出ることがある
1つ目は、親族から反対意見が出る場合があることです。
葬儀に対する考え方はさまざまであり、中には「葬儀は多くの人が故人にお別れできるよう、一般葬で行うべきだ」などと考える人もいます。親族にそのような考えの方がいる場合、家族葬としたことについて、後から不満を述べられる可能性があります。
後日、自宅への弔問客の対応に追われる可能性がある
2つ目は、後日自宅へ多くの弔問客が訪れ、対応に追われる可能性があることです。
家族葬とする場合、参列を希望する者以外には、葬儀を終えてから亡くなった旨を知らせることが一般的です。この通知を受け、多くの者が自宅への弔問に訪れる可能性があります。
特に、故人の交友関係が広かった場合や、故人が教師など多くの者と関わる仕事をしていた場合などには、引っ切り無しに弔問客が訪れる可能性があるでしょう。そのため、多くの弔問客が訪れると予想される場合には、家族葬ではなく一般葬としたほうが対応の負担が少ないかもしれません。
参列者の範囲について不満が出る可能性がある
3つ目は、参列者の範囲について不満が出る可能性があることです。
家族葬とした場合は、参列者の範囲を喪主側が決めることが一般的です。しかし、この線引きが難しいことも少なくありません。
「Aさんを呼ぶならBさんも呼ぶべきだし、そうなるとCさんも……」と考えていくうちに、人数が多くなる可能性があります。また、この判断を誤ると「なぜAさんとBさんには声をかけたのに、自分には知らせてくれなかったのか」などと不満が生じるおそれもあるでしょう。
香典の額が一般葬より少なくなる傾向にある
4つ目は、香典の額が一般葬の場合と比較して少なくなる傾向にあることです。
一般葬の場合は参列者の数が多くなりやすく、その分だけ香典も多くなりがちです。一方、家族葬の場合には参列者の数が少なくなるため、香典の額は少なくなりやすいでしょう。
とはいえ、香典を頂いたら、その半額から3分の1程度の額の香典返しするのがマナーです。そのため、家族葬で香典を頂く人数が少ないということは、香典返しの負担も少なくなりやすいといえます。
家族葬の基本の流れ
家族葬であっても、基本的な流れは一般葬と大きく変わるものではありません。ここでは、家族葬の基本の流れを紹介します。
- 葬儀社に連絡を入れる
- 葬儀社が迎えに来る
- プランの打ち合わせをする
- お通夜の準備をする
- お通夜を執り行う
- 葬儀・告別式を執り行う
葬儀社に連絡を入れる
お身内が亡くなったら、まずは家族や近しい親族などに連絡をとり、故人が亡くなった旨を伝えましょう。この連絡を、「訃報(ふほう)」といいます。
原則として訃報は電話で伝えますが、電話がつながらない場合などにはメールなどで連絡しても構いません。
近しい人への連絡と並行して、葬儀社に連絡をします。なお、入院先の病院などが葬儀社を手配してくれる場合もあるものの、その葬儀社が希望の葬儀を実現してくれるとは限りません。必ずしも病院からの紹介に応じる必要はなく、自身が納得できる葬儀社を手配しましょう。
なお、家族葬のアイリスは葬儀に関するご相談を24時間365日受け付けています。ご危篤の際やお亡くなりになった際にご連絡いただければ、深夜や早朝であってもすぐに担当者が駆け付けますので、お気軽にご連絡ください。
葬儀社が迎えに来る
葬儀社が駆け付けたら、まずは故人の安置先を検討します。病院や施設で亡くなった場合やその時点で退院(退所)扱いとなり、その場所に長時間遺体を安置することはできないためです。
ご安置先は、次のいずれかとなることが多いでしょう。
- 葬儀社の安置施設
- ご自宅
- 民間の安置施設
安置先が決まったら、葬儀社が用意した寝台車に故人を乗せ、ご家族とともに安置場所へと向かいます。
プランの打ち合わせをする
故人を安置場所まで運んだら、葬儀社の担当者と葬儀プランの打ち合わせを行います。家族葬とするのか一般葬とするのかなど、不明点を質問しながら一つずつ決めていきます。
なお、安い金額で葬儀ができるかのように伝えつつ、後から金額が加算され高額となるトラブルもあるため、金額の確認は特に慎重に行ってください。家族葬のアイリスでは、はじめから必要な物品やサービスが含まれた金額を総額で提示するため、後から不明瞭な追加料金が生じることはありません。
お通夜の準備をする
通夜や葬儀のプランが決まったら、通夜の準備を開始します。まずは、通夜や葬儀への参列を希望する者に、通夜や葬儀の詳細を連絡しましょう。
また、会葬礼状や会葬返礼品の手配なども必要です。準備として何をすべきかわからない場合には、葬儀社の担当者へご相談ください。
お通夜を執り行う
予定した日時に、通夜を執り行います。
家族葬の場合であっても、通夜の流れは一般葬と同じく、僧侶による読経やお焼香、喪主の挨拶などと進行します。家族葬の場合で参列者が家族だけの場合には、喪主挨拶は省略することもあります。
通夜の後には食事の席(「通夜ぶるまい」といいます)を設けることが多いものの、こちらも省略されることがあります。
葬儀・告別式を執り行う
通夜の翌日に、葬儀・告別式を執り行います。
家族葬の葬儀・告別式の流れも、一般葬の場合と大きく変わるところではありません。参列者が着席したら僧侶による読経がなされ、喪主から順にお焼香を行います。
その後は、故人と過ごす最後の時間として、棺の蓋が開けられます。定刻となったら棺の蓋を閉め、棺が霊柩車へと乗せられます。
この時点で喪主挨拶がなされることが多いものの、参列者の全員が火葬場まで同行する場合は、この段階での挨拶は省略されることが一般的です。
火葬場についたら故人が火葬され、遺族はその間待合室などで待ちます。火葬にかかる時間は、1時間程度であることが多いでしょう。
火葬が終わると収骨(お骨上げ)をして、お骨を骨壺へとおさめます。ここまでで、いったん葬儀・告別式は終了となります。その後は「精進落とし」として会食の場を設けることが多いものの、参列者が家族だけである場合には、省略することもあります。
家族葬の費用は安い?
家族葬の費用は、本当に安いのでしょうか?最後に、家族葬の費用について解説します。
家族葬だからといって安いとは限らない
家族葬について、「一般葬よりも安い」と考えている人は少なくないようです。
確かに、一般的なケースでは、家族葬の方が安価となることが多いでしょう。しかし、冒頭で解説したように、家族葬の定義は明確ではありません。
「家族葬」であっても親族や親しい友人が多く、参列者が数十名に上る場合には、費用が高くなる可能性があります。同様に、たとえ家族葬であっても祭壇などに凝るなどすれば、その分だけ費用は高くなるものです。
「家族葬だから安い」と思い込むのではなく、プランの内容をよく検討したうえで、最終的にいくらかかるのか確認しておくべきでしょう。
家族葬の費用相場と主な内訳
家族葬の費用相場は、参列者が20名以下程度の場合、おおむね次のとおりです。
- 自宅で行う場合:60万円程度
- 会館などで行う場合:100万円程度
ただし、先ほど解説したようにプランの内容などによって金額は大きく変動します。あらかじめよくご確認ください。また、参列者が増えるほど費用が高くなる傾向にあります。
家族葬にかかる費用の主な内訳は、次のとおりです。
- 会館使用料や火葬代などの基本料金:70万円程度
- 飲食代や返礼品代:15万円程度
- お布施:ケースバイケース(10万円から20万円程度)
葬儀社による見積書をよく確認し、不明点などがあれば質問するとよいでしょう。
家族葬の費用を安くするポイント
家族葬の費用を安くするためのポイントとしては、次の3点が挙げられます。
- 事前に葬儀社を調べておく
- 会食をしない
- プランの内容をよく確認する
事前に葬儀社を調べておく
1つ目は、葬儀社を事前に調べておくことです。
葬儀社に事前に相談して見積もりなどを確認しておくことで、信頼できる葬儀社を選定しやすくなります。また、不要なオプションを削るなど、時間をかけてプランを検討することが可能となります。
会食をしない
2つ目は、会食をしないことです。通夜ぶるまいや精進おとしなどの会食をしなければ、その分だけ費用が安くなります。
家族葬の参列者が今後も集まることが容易なのであれば、別の日に集まって外食をする形をとることも一つの手でしょう。
プランの内容をよく確認する
3つ目は、プランの内容をよく確認することです。不要なサービスや物品が含まれている場合には、これを削ることで費用を抑えやすくなります。
また、後からオプションによって費用が高くなることを避けるため、必要な物品やサービスのうちプランから外れているものがないか、あらかじめ確認することをおすすめします。
まとめ
家族葬の定義や流れ、かかる費用などについて解説しました。
家族葬を選択することで故人とゆっくりしたお別れがしやすくなるほか、費用を抑えやすくなるでしょう。一方で、プランの内容によっては費用が高くなる可能性もあるほか、故人の交友関係が広かった場合などには後日多くの弔問客が訪れ対応に追われる可能性もあることなどに、注意が必要です。
家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っており、24時間365日体制で葬儀の相談をお受けしています。ご家族がご危篤になったり、亡くなったりしてお困りの際などには、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。葬儀のご希望の際は、ご連絡後すぐに担当者が駆け付けます。
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