【2024】葬儀の「喪主」とは?やることは?決め方・役割・マナーをわかりやすく解説
「喪主」とは、葬儀を主催し遺族の代表を務める人物です。喪主は葬儀全体を取り仕切る重要な役割を担っており、挨拶やさまざまな雑務をこなしつつ参列者や親族への礼を尽くさなければなりません。今回は、喪主の役割や服装、マナー、誰が喪主をするのかについて詳しく解説します。
喪主の役割と意味
喪主は、遺族を代表する存在です。そして、葬儀におけるすべてを取り仕切る重要な役割を担います。お通夜、葬儀、弔問者の対応、そして式後の事務処理などは喪主が中心となって行います。葬儀という儀式の中心人物であり、葬儀をスムーズに進行させるための要となります。
喪主の定義
喪主は、お通夜から葬儀、そして、葬儀後の法要などすべてにおける中心人物であるといえます。葬儀では、進行や参列者への対応、弔辞の読み上げ、式後の事務手続き、そして、香典返しの準備など葬儀全般を喪主が中心となって進めていきます。
喪主という役割は慣習的・宗教的なものであり、相続のような法律的な地位ではありません。ですが、葬儀においての喪主の役割はとても重要です。遺族を代表する存在でもあるため、弔問客への対応等では特に細かい気配りが求められます。
お通夜や葬儀は、宗派や地域、家ごとに習慣やしきたりが異なるため、喪主はそれに合わせた対応をする必要があります。
葬儀における喪主の重要性
お通夜や葬儀といった数日間に及ぶすべての儀式をスムーズに執り行うために、遺族の代表である喪主はなくてはならない存在です。故人の死を悼むための通夜や葬儀では、故人や遺族のさまざまな心情が交錯し混乱することもありますが、喪主が代表として葬儀を取り仕切れば混乱を避けることができます。
お通夜や葬儀は、宗教的な儀式という側面もあるため、すべての要素を網羅しつつ滞りなく一連の儀式を進行させる上でも喪主の存在は不可欠です。
喪主の役割
お通夜や葬儀における、喪主の役割は実に多岐にわたります。故人が亡くなった後、すぐにお通夜や葬儀の日程調整を行います。各式の準備に始まり、式の進行、弔辞や参列者の対応、さらに葬儀後の事務処理、香典返しの準備というすべての責任を喪主が負うこととなります。
宗教や地域、家ごとに異なる習慣がある一連の式を進めるために、葬儀社や寺院などとの連携も重要です。喪主は、ただ式を行い挨拶をするだけでなく、遺族や参列者にとって故人に最も近い存在として遺族全体をまとめる役割も果たします。
喪主に選ばれる人の基準
喪主を誰が務めるかは、家族構成や地域の慣習、宗教によって異なります。もちろん、法律のような決められたルールがあるわけではありません。ただし、宗教的・習慣的な基本的な基準があります。ここでは、喪主を誰がするのかについて解説します。
一般的な喪主の選び方
一般的に、喪主は故人に最も近い人物が務めます。そのため、故人の配偶者もしくは子が務めるケースが多くなっています。
しかし、家族の事情や故人の意思により、他の親族が喪主を務める場合もあります。たとえば、配偶者が高齢である場合や、体調を崩していたり怪我をしていたりする場合、または子が遠方に住んでいる場合などは、兄弟などが喪主を務めることがあります。
特殊なケースでの喪主の選定
一般的には家族が喪主を務めますが、特殊なケースでは、家族以外が喪主を務めることもあります。
たとえば、故人が独身であった場合、友人や会社の上司が喪主を引き受けることもあります。他にも、籍を入れていない内縁のパートナーや恋人、ごく親しい友人に故人が「喪主をして欲しい」と頼んでいた場合などは、故人の意思が尊重されるケースもあります。
喪主は宗教的・慣習的な要素が強く、「通常は家族がするもの」という感覚を持つ方は少なくないでしょう。ですが、お通夜と葬儀をスムーズに執り行い、故人の死を悼む場を設けることができるのであれば、必ずしも家族でなければならないということはありません。
宗教や地域ごとの喪主の違い
お通夜や葬儀は地域や宗教によって形式が大きく異なります。しかし、喪主に関しては大きな違いはなく、故人に最も近い人物が遺族の代表として喪主を努めるという点も変わりません。
地域や家によっては、喪主と施主を分けて考え、喪主は遺族の代表者で施主はお金に関することをすべて取り仕切るという役割分担をしているところもあります。
喪主がするべきこと
喪主には葬儀の準備から後日の法要に至るまで、さまざまな重要な役割と責任が発生します。喪主は遺族の代表として、葬儀を取り仕切る代表という立場であるため、事前の準備や式の進行、参列者への対応などをすべて行います。ここでは、喪主がするべき具体的な内容について解説します。
- 葬儀の準備
- 式の進行と喪主の役割
- 弔辞や弔問への対応
- 親族が喪主をする場合は事務処理も喪主が行う
葬儀の準備
まず、葬儀の準備や日程調整は喪主が中心となって行います。お通夜や葬儀の日程は多くの場合、数日後という短いタイムスケジュールで行われるため、短期間の間に葬儀会社との打ち合わせを行い、寺院などに連絡をしてスケジュール調整を行い、日時や場所の決定、その他の調整を行います。
また、故人と関わりがあった人への連絡、弔辞を述べる人の選定や、供花の手配など、細かな準備を進めます。もちろん、故人の意思を尊重するのが第一とはなりますが、遺族全体が納得する形で葬儀を進めることが重要です。
遺族が一つにまとまっていない場合などは、さまざまな意見を取り入れて最もよい形で式を執り行うための調整役も喪主が担います。
式の進行と喪主の役割
葬儀の当日は、喪主は式の進行に最も深く関わる人物といえます。
慣習やしきたりを把握し、宗教的な作法に基づいてさまざまな役割が与えられています。弔問客への対応への挨拶だけでなく、葬儀の中で喪主の挨拶も行われます。また、出棺の際に、遺影や位牌を持つ役目を果たしますし、多くの場合、最初にお焼香をするのも喪主です。
このように、喪主は式の進行の中で重要な役割を果たす立場です。
弔辞や弔問への対応
喪主の役割の中で、弔問客への対応は非常に重要です。遺族を代表する立場であるため、失礼がないよう注意しなければなりません。
弔問を受けた場合は、喪主が挨拶をして感謝の意を表します。また、故人への弔辞を受け取った際にも、丁寧に感謝の気持ちを述べることが大切です。
喪主は弔問者に対する礼儀や弔事でのマナーを守りながら、全体の調和を図る必要があります。葬儀においての役割に気を取られてしまいますが、お通夜や葬儀ではないタイミングでの弔問も予想されるため、常に気を配る必要があります。
親族が喪主をする場合は事務処理も喪主が行う
親族が喪主をする場合、葬儀後に、さまざまな事務処理が残ります。死亡届の提出、故人の銀行口座や保険の手続き、遺産相続に関する事務手続きなどの事務処理が発生します。
特殊なケースで他人が喪主を務めた場合は、相続人でなければできない手続きは法定相続人が行います。一般的にこれらの作業は喪主が中心となって進めますが、場合によっては弁護士や専門家の助けを借りることもあります。
喪主のマナーと注意点
喪主として守らなければならないマナーは他の遺族と同様です。ただし、遺族を代表する立場ですのでマナー違反がないようより注意が必要です。喪主は最も目立つ存在でもありますし、遺族の代表であるということは家族の代表ということもできるため、適切な服装とマナーが求められます。ここでは、喪主が注意すべきマナーについて解説します。
喪主の服装と身だしなみ
喪主の服装は、一般的に正式な喪服が望まれます。
男性の場合は黒のスーツ、女性は黒のワンピースやスーツを着用し、アクセサリーは真珠かジェットのものを身につけましょう。バックや靴も黒で統一し、派手なメイクやネイルは避けるべきです。
喪服のデザインは奇抜なものは避けてシンプルで控えめなものを選び、故人への敬意を表します。なお、近親者が喪主を務める場合は、和装の喪服を着用しても問題ありません。
喪主としての立ち振る舞いと注意点
喪主は葬儀の場で、常に模範的な存在であることが求められます。そして、会場全体を見渡して気配りをする必要があります。
喪主は葬儀の中心人物ではありますが、目立つ行動は避けて冷静に行動しましょう。また、常に落ち着いて行動し、ときには感情を抑えて適切に対応することが求められます。
感情を抑えるべき場面もある
故人との別れは非常に辛いものです。喪主は遺族の中でも故人に最も近い人物であるためその悲しみも大きくなります。
しかし、喪主は感情を抑えて冷静に対応するべき場面が多くあります。特に式の進行中は、他の参列者に対する礼儀を守りながら、冷静に振る舞うことが大切です。葬儀の場では厳粛な雰囲気を保つことが喪主の重要な役割となります。
もちろん、涙を流してはならないということではありません。ただし、自分の役割を果たさなければならない場面では冷静に行動することが大切です。
喪主にかかる精神的・経済的な負担
喪主は精神的にも経済的にも大きな負担を抱えることが少なくありません。近しい人物の死を目の当たりにした直後に、遺族の代表としてお通夜や葬儀をとりおこなうのは決して楽なことではないでしょう。ここでは、喪主にかかる具体的な負担について解説します。
精神的な負担
喪主は精神的な負担が非常に大きい役割といえます。
お通夜や葬儀の準備や進行、参列者との対応、そして遺族を取りまとめることは、喪主にとって精神的な負担が非常に大きいものです。特に、故人との関係が近い場合、悲しみや喪失感と責任感が入り混じり、心身共に疲労が蓄積します。
喪主として、葬儀が滞りなく進行するように気を配ることが求められ遺族からのプレッシャーもかかるため、精神的な負担は計り知れないものがあります。
喪主にかかる経済的な負担
多くの場合、喪主が葬儀費用を負担するケースが多く、経済的な負担は無視できません。
また、お通夜や葬儀そのものの費用だけでなく、供花、返礼品、香典返しの費用、お布施なども発生します。さらに、葬儀後の法事や墓の管理費用も必要ですし、遺産相続に関連する費用が発生するケースもあります。
特に大規模な葬儀を行う場合や、人数やしきたりが多い葬儀では、負担はさらに大きくなります。
喪主をサポートする体制が必要
喪主の負担を軽減するためには、家族や親族、さらには葬儀会社のサポートが重要です。葬儀全体を喪主が一人で抱え込むことなく、親族と役割分担をしながら進めることで、喪主の精神的・肉体的な負担を減らすことができます。
また、葬儀の進行に慣れていない場合は、葬儀会社がしっかりとサポートしてくれる体制を整えることが必要です。
家族葬のアイリスでは、全国対応で喪主様やご遺族のお通夜や葬儀に関するトータルサポートを行っています。知識あるスタッフが喪主様の負担を少しでも軽減するために力を尽くします。
現代における喪主の変化
高齢化が進む現代においては、喪主の役割や選定に関しても柔軟な対応が求められます。今までの慣習を踏襲するだけではさまざまな問題が発生する場合もあるでしょう。ここでは、高齢化が進む時代の喪主とはどのようなものか、そして、喪主の選定やサポートの必要性について解説します。
家族形態と喪主選定
核家族化や少子化が進む中、喪主を誰が務めるかという選定基準は柔軟になりつつあります。
たとえば、子が喪主を勤める場合、従来であれば長男が喪主を務めることが多かったものの、近年では長男に限らず、家族内で話会って最も適切な人が選ばれるケースが増えています。また、結婚の形が多様化しており、内縁のパートナーが喪主をするケースもあります。
高齢化社会における喪主の問題
日本の高齢化社会においては、喪主を高齢者が務めることが多くなり、その負担が大きな問題となっています。喪主を務めるべき人物が体力的な問題や健康上の不安を抱えているケースも少なくありません。
高齢の喪主が精神的・体力的に葬儀を取り仕切るのが難しい場合、代わりに若い世代の親族が喪主をサポートすることが増えています。
若い世代が喪主になるケースの増加
家族内の世代交代が進む中で、若い世代が喪主を務めるケースもあります。若い世代の方が喪主を務める場合は、葬儀の進行に不慣れなことも多いため、葬儀社からのサポートや親族の協力が一層重要となります。
家族葬や直葬での喪主の役割
現代では、家族葬や直葬といった形式が増えており、これに伴い喪主の役割にも変化が見られます。従来のお通夜を行ってから葬儀と火葬という流れを選択せず、葬儀のみであったり、お通夜も葬儀も行わずに直葬するという場合やお別れ会を後日行ったりする場合もあります。その場合は喪主の役割や責任も変化します。最後に、家族葬や直葬での喪主の役割について解説します。
家族葬における喪主の簡略化
家族葬とは、親族やごく親しい友人のみで行われる小規模な葬儀です。この形式では、参列者が限られているため、喪主の役割も比較的簡略化されます。弔問客の対応が少なくなるため、精神的負担が軽減されることもあるでしょう。
家族葬では、故人を静かに見送ることに重点が置かれるケースが多く、喪主の挨拶や儀式も簡素化されることがあります。
直葬における喪主の役割の変化
直葬とは、通夜や葬儀を行わず、遺体を直接火葬場へ運び火葬のみを行う形式の葬儀です。
直葬ではお通夜や儀式が行われないため、喪主の責任は大幅に減少します。
しかし、火葬場での立会いや手続きなど、最低限の対応が求められるため、喪主としての責任はゼロではありません。直葬の後にお別れ会を開くこともありますが、この場面でも喪主が中心となります。
少人数の葬儀での喪主の責任
少人数の葬儀であっても、喪主が葬儀全体を取り仕切ります。参列者が少ないぶん、弔問客への対応など負担は確実に軽減されますが、喪主が葬儀の準備や進行を細かく管理する責任があることは変わりません。
また、遺族の数が少ない場合には、喪主が多くの役割を兼務することがあり、負担が大きくなることもあります。
オンライン葬儀における喪主の対応
近年、遠方からでも参加できるオンライン葬儀という選択肢も出てきました。
オンライン葬儀では、参列者はリモートで参加するため、喪主は現地での対応と平行してオンライン参加者への配慮をしなければなりません。喪主は、カメラ越しではあっても挨拶を述べ、オンラインでの参加者に疎外感が生まれないように対応をする必要があります。
まとめ
喪主は、故人に最も近い立場として葬儀を取り仕切る重要なものであり、故人を見送る一連の儀式の中でなくてはならない存在です。
喪主は、お通夜や葬儀の準備、式の進行、参列者への対応など、多岐にわたる業務を行う必要があるため、精神的・経済的な負担が大きくなります。そのため、家族や親族のサポート、葬儀会社の協力を得ながら、喪主は故人の意思を尊重しなければなりません。
喪主の役割は時代に応じて柔軟に変化していますが、喪主が中心的な役割であることは変わりません。
家族葬のアイリスでは、さまざまな負担が伴う喪主様のサポートを行っています。24時間365日、いつでもお電話いただける体制で時間帯を問わずいつでもご相談いただけます。対象地域にお住まいの方が危篤やお亡くなりの際の専用ダイヤルをご利用いただければ、最1時間以内にお伺いいたします。
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