お通夜では何をする?一般的な流れをわかりやすく解説

お通夜では何をする?一般的な流れをわかりやすく解説

ご家族が亡くなると、原則として翌日にお通夜、その翌日に葬儀・告別式を行うこととなります。

では、お通夜では何をするのでしょうか?また、ご逝去からお通夜、葬儀・告別式まではどのような流れとなるのでしょうか?

今回は、お通夜では何をするのか概要を紹介するとともに、ご逝去後の一般的な流れや通夜の日程の決め方などを解説します。

お通夜は何をする儀式?

お通夜とは、何をする儀式なのでしょうか?はじめに、お通夜の意味や仮通夜と本通夜の違いなどをまとめて解説します。

お通夜の意味

お通夜とは、故人と親しくしていた方々が、故人と最期の夜を過ごす儀式です。しかし、お通夜の意味合いやお通夜に何をするかは、時代とともに変わりつつあります。

お通夜のもとになったとされる「殯(もがり)」

古来の日本には「殯(もがり)」という風習があり、これがお通夜の元になったと言われています。殯とは、家族が亡くなった後一定期間は埋葬せず、家の敷地内に建てた「殯宮(もがりのみや)」にご遺体を仮安置する風習です。

殯には故人の霊魂を鎮める意味合いのほか、ご遺体が徐々に腐敗し白骨化していく過程を目にすることで、家族の死を受け入れるための意味合いもあったと考えられています。

現代において、一般家庭で殯が実施されることはほとんどありません。一方で、皇族ではこの風習が残っており、平成28年8月8日の「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」によると、天皇家では2ヶ月ほどの期間、殯が行われるようです。

伝統的なお通夜

殯(もがり)を由来とする伝統的なお通夜は、家族が一晩中灯明や線香を絶やさず故人を見守る儀式でした。文字どおり一晩中見守ることから、「通夜」と呼ばれるようになったとされています。僧侶による読経以外に特別な儀式は行わず、遺族が故人の冥福を祈りつつ最期の夜を過ごします。

お通夜には家族が死を受け入れることや供養としての面のほか、故人が本当に亡くなったかどうかを確認する期間としての意味もありました。医学が今ほど発達していない時代には正確な死亡判定が容易ではなく、亡くなったと思われてから息を吹き返す可能性がゼロではなかったためです。

近年のお通夜

近年では通夜が一晩中行われることは少なくなりました。また、通夜も儀式化しており、参列者を招いて1時間から3時間程度、僧侶による読経やお焼香などを行います。

また、ご遺族がご遺体とともに安置施設に宿泊する際も、防災面から就寝時には線香などの火を消すようにいわれることがほとんどでしょう。

半通夜とは

半通夜とは、1時間から3時間ほどで執り行う通夜のことです。一晩中故人を見守っていた従来の通夜と比較する際に、近年の通夜を「半通夜」と呼ぶことがあります。

仮通夜と本通夜の違い

近年では、仮通夜と本通夜を分けて執り行うことがあります。

「本通夜」とは、弔問客を迎えて行う近年の一般的な通夜です。一方、「仮通夜」とは弔問客などを招かず、遺族だけで故人を見守る通夜を指します。仮通夜でも僧侶を招くこともあるものの、省略されることも少なくありません。

具体的なスケジュールは状況によって異なるものの、ご逝去の当日に「仮通夜」、翌日に「本通夜」を行い、その翌日に葬儀・告別式と火葬を行うことが多いでしょう。

【全体】ご臨終からお通夜、告別式までは何をする?

ご逝去からお通夜、告別式までの間に、喪主は何をする必要があるのでしょうか?ここでは、ご逝去後の一般的な流れを紹介します。

具体的な流れやスケジュールは宗派や状況などで異なる可能性があるため、葬儀社の担当者へ相談したうえで進めることをおすすめします。

  • ご臨終
  • 葬儀社の選定
  • 近しい親族への訃報
  • ご遺体の搬送・ご安置
  • 葬儀や通夜のプランの打ち合わせ
  • 死亡届の提出
  • 納棺
  • お通夜
  • 通夜ぶるまい
  • 葬儀・告別式
  • 出棺
  • 火葬
  • 骨上げ
  • 精進落とし

ご臨終

ご臨終が確認されると、医師から死亡診断書(亡くなった状況によっては「死体検案書」)が交付されます。死亡診断書(死体検案書)は死亡届と同じ用紙となっており、死亡届の提出に必要となるため、紛失しないようご注意ください。

葬儀社の選定

ご家族が亡くなると、そのまま病院のベッドを使い続けることはできません。ご逝去後は病院内の霊安室に移されるものの、霊安室の利用も数時間程度に制限されていることが一般的です。そのため、まずは早期に、ご安置場所までご遺体を搬送しなければなりません。

とはいえ、自家用車でご遺体を搬送することは現実的ではないでしょう。そのため、ご遺体を搬送する「寝台車」を手配する必要が生じます。寝台車は一般的に、葬儀社に依頼して寝台車を手配してもらうこととなります。

多くの病院は葬儀社と提携しており、病院に依頼することで葬儀社を手配してもらえます。しかし、必ずしも病院から紹介された葬儀社に依頼しなければならないわけではありません。

故人が生前に依頼していた葬儀社や、喪主が信頼できそうであると感じた葬儀社に依頼することも可能です。料金などでトラブルとならないためには、信頼できる葬儀社を選定して依頼すべきでしょう。

家族葬のアイリスでは、全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。葬儀社の選定でお困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。ご連絡は24時間365日受付中であり、深夜や早朝でもご遠慮いただく必要はありません。

なお、寝台車の手配と最終的な葬儀の施行を、別の葬儀社へ依頼することも可能です。

そのため、たとえ病院から勧められるままに寝台車の手配を病院の提携先葬儀社に依頼したとしても、その後の葬儀社を選び直すことができます。

近しい親族への訃報

寝台車の手配と並行して、家族や近しい親族への訃報連絡を行います。訃報は電話で伝えることが原則であるものの、関係性や状況によってはショートメールやLINEなどで伝えても構いません。

なお、参列者を限定した家族葬を予定している場合には、情報管理に注意しましょう。連絡を受けた家族や親族がよかれと考えて近隣住民や他の関係者などに訃報を伝えた結果、予想外に多くの人が通夜や葬儀に詰めかけて対応に追われる可能性があるためです。

そのため、家族葬を予定している場合には訃報の連絡と併せてその旨を伝え、一定範囲の相手以外に訃報を伝えないようお願いしておくことをおすすめします。

ご遺体の搬送・ご安置

葬儀社の担当者が到着したら、寝台車でご遺体を安置場所まで搬送します。

安置場所は、ご自宅か葬儀会館の安置施設とすることが多いでしょう。安置施設を使う際は費用が発生するため、あらかじめ費用を確認しておくことをおすすめします。

葬儀や通夜のプランの打ち合わせ

ご遺体を安置したら、葬儀社の担当者と葬儀プランの打ち合わせを行います。希望する葬儀の規模や内容などを伝え、通夜や葬儀の内容を検討しましょう。

打ち合わせでは、次の内容をよく確認しておくことをおすすめします。

  • トータルでかかる費用
  • プランに含まれていないものの、通夜や告別式に必要となる物品やサービスはないか
  • 追加料金がかかる場合と、その場合の金額

特に、プランの内容が他社と比較して極端に安い場合には、後から何かと追加料金がかかり最終的な請求額が高くなるおそれがあるため、注意が必要です。

家族葬のアイリスでは、追加料金の心配なく故人様のお見送りができるよう、はじめから最低限必要な物品やサービスをすべて含んだ金額を提示しています。信頼できる葬儀社をお探しの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

死亡届の提出

打ち合わせと並行して、市区町村役場へ死亡届を提出します。

死亡届を出さなければ火葬許可証が発行されず、火葬をすることができません。そのため、早期に提出しておくことをおすすめします。

死亡届の提出は葬儀社が代行してくれることが多いため、確認しておくとよいでしょう。

ここまでが、原則としてご逝去当日の流れです。

納棺

ここからは、ご逝去翌日の流れです。

お通夜の前に、ご遺体を棺に納める「納棺」を行います。納棺については、後ほど改めて解説します。

お通夜

18時または19時ころから、お通夜を行います。お通夜に何をするかは、後ほどくわしく解説します。

通夜ぶるまい

通夜の後には、参列者をもてなす食事会である「通夜ぶるまい」を行います。ただし、ごく近しい家族だけで行う家族葬などの場合などには、省略することもあります。

葬儀・告別式

通夜の翌日には、葬儀・告別式を行います。葬儀・告別式は10時や11時など、午前中を開始時間とすることが一般的です。

葬儀・告別式ではまず僧侶による読経やお焼香がなされ、その後参列者がお焼香を行います。

出棺

棺への花入れや、棺の蓋を釘で止める「釘打ち」などを行います。棺の蓋が閉じられると、喪主が挨拶をして出棺となり、ご遺体は霊柩車にて火葬場へと向かいます。

家族葬でない場合であっても、火葬場へは近親者だけで向かうことが一般的です。

火葬

火葬場へ着いたら、ご遺体を荼毘に付します。火葬には1時間から2時間ほどを要するため、その間、遺族は待合室などで待ちます。

骨上げ

火葬が終わったら、遺骨を拾い上げて骨壺へ移す「骨上げ」を行います。骨上げが終わると、火葬場から「火葬許可証」に印を押した「埋葬許可証」を受け取ります。

埋葬許可証は埋葬の際に必要となるため、骨壺とともに大切に保管してください。

精進落とし

精進落としは本来、忌中の間を精進料理で過ごした遺族が四十九日の忌明けを迎えた際に食べる通常の料理を指します。

しかし、近年では本来の意味合いが薄れ、参列者へのお礼を伝え故人を供養する食事会となっています。そのため、火葬の後にそのまま精進落としをするケースが少なくありません。

また、初七日法要を繰り上げて、火葬当日に行うことが多くなっています。火葬当日に初七日法要をする場合は、火葬後にいったん斎場に戻って初七日法要を行い、その後精進落としをする流れとなることが一般的です。

【通夜当日】お通夜での一般的な流れ

お通夜の当日は、何をするのでしょうか?ここでは、先ほど紹介した全体の流れのうち、お通夜当日に絞って詳細な流れを解説します。

  • ご遺体の準備
  • 会場設営などの準備
  • 親族来場
  • 僧侶来場
  • 受付開始
  • 通夜開式
  • 読経・お焼香
  • 喪主挨拶・閉式
  • 通夜ぶるまい開始
  • 通夜ぶるまい終了

ご遺体の準備

はじめに、ご遺体の準備をします。親族が来場するタイミングまでに納棺をするため、ご遺体の準備は14時や15時頃からはじめることが多いでしょう。

納棺に先立って、必要に応じて次の儀などを行います。

  • 湯灌:ご遺体を拭いて清めること
  • エンバーミング:ご遺体の防腐処理や消毒、修復などを行うこと

その後、ご遺体を死装束に着替えさせ、血色をよく見せるための化粧などを施します。

一連の準備が済んだら、ご遺体を副葬品とともに棺へ納めます。入れることのできる副葬品には制限があるため、葬儀社の担当者へご確認ください。

会場設営などの準備

ご遺体の準備が整ったら、会場設営などの準備をします。会場設営自体は葬儀社側で行うものの、供花の配置などは喪主などの遺族が指示をしなければなりません。

供花は祭壇に近いところから喪主・近親者・親族・友人・会社関係者などの順に並べることが一般的であるものの、葬儀社の担当者には故人との関係性などまではわからないためです。併せて、座席の配置や会葬御礼品に比測がないことなども確認しておくとよいでしょう。

親族来場

通夜開始の1時間ほど前に、親族が来場します。親族が来場したら、喪主から簡単にお礼の挨拶をしましょう。

僧侶来場

受付開始前後あたりで、僧侶が来場します。僧侶が来場したら、喪主から来場のお礼を伝えましょう。このタイミングでお布施をお渡しすると、スムーズです。

受付開始

通夜開始の30分前頃から、一般参列者の受付を開始します。参列者が来場したら、喪主から1人1人にお礼の挨拶をするのが通例です。

通夜開式

定刻となったら、通夜を開始します。通夜の開始は、18時または19時頃とすることが多いでしょう。

読経・お焼香

開式すると、僧侶による読経やお焼香がなされます。続けて、参列者も喪主から順にお焼香をします。

喪主挨拶・閉式

通夜の最後に、喪主が挨拶をして閉式となります。この喪主挨拶は、参列者へのお礼を伝えるとともに、翌日の告別式の案内などをするシンプルなものとされることが多いでしょう。

通夜ぶるまい開始

通夜の後に参列者へ食事を振る舞う場合には、会場へと移動して通夜ぶるまいを開始します。

通夜ぶるまいは、一人ひとりに懐石料理を用意するものではなく、取り分けのできるオードブルなどを手配することが多いでしょう。通夜ぶるまいの開始時には、喪主が簡単な挨拶をします。

また、通夜ぶるまいの最中も、喪主は参列者のもとを回ってお礼の挨拶をするとよいでしょう。

通夜ぶるまい終了

通夜ぶるまいは、1時間から長くても2時間程度で閉会となります。通夜ぶるまいの終了時にも改めて喪主がお礼の挨拶をするとともに、翌日の告別式の案内などを行います。

お通夜の日程はどう決める?

ご家族が亡くなった際、お通夜などは次のスケジュールで行うことが多いでしょう。

  • ご逝去当日の夜:仮通夜
  • 翌日の夜:本通夜
  • 翌々日:葬儀・告別式と火葬

しかし、必ずしもこのスケジュールどおりになるとは限りません。ここでは、お通夜の日程を決める際の主なポイントを紹介します。

  • 24時間以内は火葬ができないことを理解する
  • 葬儀社の都合を確認する
  • 火葬場の空き状況を確認する
  • 僧侶の都合を確認する
  • 友引の火葬は避けられることが多い

24時間以内は火葬ができないことを理解する

日本では、法律の定めにより、原則として亡くなってから24時間は火葬をすることができないとされています(墓地埋葬法3条)。そのため、仮に「通夜や葬儀などの儀式は不要なので、そのまま火葬したい」と考える場合であっても、ご逝去当日の火葬はできません。

葬儀社の都合を確認する

葬儀会館の空き状況によっては、希望した日に通夜や告別式が営めないことがあります。そのため、葬儀を依頼したい葬儀社が決まっている場合には、会館の空き状況を早期に確認しておくとよいでしょう。

家族葬のアイリスでは多数の斎場と提携しているため、混み合う時期であっても空きのある斎場を見つけられる可能性があります。お困りの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。

火葬場の空き状況を確認する

火葬場の空き状況も、通夜や葬儀の日程に大きく影響します。

葬儀・告別式は火葬当日に行うことが多く、本通夜はその前日に執り行うのが原則です。そのため、火葬場の予約が取れなければ、それだけ告別式や本通夜の日も後ろへずれることとなります。

特に、友引の翌日は火葬場が混み合うことが多いほか、年末年始は火葬場が開いておらず休み明けも混み合うため、注意が必要です。

僧侶の都合を確認する

菩提寺がある場合には、僧侶の予定も確認しておかなければなりません。特に、お盆やお彼岸の時期は僧侶の予定が埋まりやすいため、注意が必要です。

友引の火葬は避けられることが多い

友引とは六曜の一つであり、本来は仏教などとは何の関係もありません。しかし、「友を引く」という字面から、日本においては友引の葬儀(火葬)が避けられる傾向にあります。

たとえ喪主が気にしなくとも参列者が気にする可能性があることから、友引の葬儀は避けた方が無難でしょう。また、友引の日の火葬が少ないことから、友引は火葬場が休みであることも少なくありません。

そのため、そのままスケジュールを組めば葬儀当日が友引にあたりそうな場合、仮通夜を挟むなどして調整することが有力な選択肢となります。

お通夜にまつわるよくある疑問

最後に、お通夜にまつわるよくある疑問と、その回答を紹介します。

家族葬でもお通夜はするの?

家族葬であっても、お通夜はすることが原則です。お通夜の流れや通夜で何をするのかも、家族葬と一般葬とで特に変わるところではありません。

ただし、家族葬の場合に儀式としての通夜を省略し、家族だけでゆっくりと最期の時間を過ごす選択をすることはあります。「家族葬でも通夜をするのが原則」であるというだけで、「家族葬でも通夜をしなければならない」わけではありません。

お通夜をしないこともできる?

儀式としてのお通夜は、しないことも可能です。その場合は家族だけで最期の時間を過ごし、翌日に葬儀・告別式と火葬をすることとなります。このような葬儀の形態を、「一日葬」ということもあります。

自身に合った葬儀の形態がわからない場合には、家族葬のアイリスまでご相談ください。家族葬のアイリスでは、「家族葬1日プラン」や「家族葬2日プラン」などさまざまな葬儀プランをご用意しています。

お通夜は何時から始めることが一般的?

お通夜の開始時間に明確な決まりはないものの、18時頃や19時頃から開始することが多いでしょう。そのため、日中の参加が難しい方が通夜に参列するケースも散見され、告別式よりも通夜の参列者が多くなることもあります。

まとめ

お通夜では一般的に何をするのかお通夜の流れを紹介するとともに、お通夜の本来の意味やお通夜の日程を決めるポイントなどを解説しました。

お通夜とは、故人と親しくしていた者が故人を見守り供養する儀式です。近年では一晩中行うことは稀であり、1時間から3時間程度の「半通夜」が主流となっています。

お通夜で何をするかや具体的な流れは地域や宗派によって多少異なる場合があるため、葬儀社の担当者とよく相談したうえでスケジュールや流れを確認するとよいでしょう。

家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀のトータルサポートを行っています。信頼できる葬儀社に心当たりがなくお困りの際や、はじめて喪主となりお困りの際などには、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。ご相談は24時間365日受付中で、深夜や早朝でもご遠慮いただく必要はありません。