納骨はいつするべき?納骨の時期・タイミングと流れなどをわかりやすく解説
ご家族が亡くなった後はやるべきことが多く、故人様を悼みつつも慌ただしく過ごされることでしょう。その一つの区切りとなるのが、納骨ではないでしょうか?
では、ご家族が亡くなった後、納骨はいつ行えばよいのでしょうか?また、納骨はどのような流れで行えばよいのでしょうか?
今回は、納骨はいつ行うのか目安となる時期を紹介するとともに、納骨までの一般的な流れなどを解説します。
納骨とは
一般的に、納骨とは骨壺に入れたお骨をお墓などへ納めることを指します。ただし、近年では供養の仕方が多様化しており、必ずしも一般墓に納めるだけが納骨ではありません。
はじめに、納骨の主な種類を解説します。納骨をする前に、どのような方法で供養をするのか慎重に検討すべきでしょう。
- 一般墓への埋葬
- 納骨堂への納骨
- 永代供養墓への埋葬
- 散骨
一般墓への埋葬
1つ目は、一般墓への埋葬です。
先祖代々のお墓や故人が生前に用意したお墓がある場合には、原則としてそのお墓へ納骨することとなります。また、現時点でお墓がない場合であっても、今後お墓を承継していきたい場合などには、新たにお墓を建立して納骨することが有力な選択肢となります。
もっとも伝統的な方法である一方で、新たにお墓を建てる場合には費用が高くなる傾向にあります。
納骨堂への納骨
2つ目は、納骨堂への納骨です。
納骨堂とは、骨壺を地中に埋葬するのではなく、専用スペースに遺骨を納める建物です。コインロッカーのようなスペースに骨壺を納めてお墓参りの際には専用の鍵で開ける形態のほか、機械式立体駐車場のように専用のカードキーなどをかざすことで自動的にご家族のお骨が運ばれてくる形態などがあります。
納骨堂は交通の便のよい場所に設けられることが多く、都心を中心に利用が拡がっている納骨方法の一つです。
永代供養墓への埋葬
3つ目は、永代供養墓への埋葬です。
永代供養とは、寺院や霊園がご遺族に代わって供養や遺骨の管理などを行う埋葬形態です。シンボルツリーの付近に埋葬する「樹木葬」も、原則として永代供養の1つであると整理できます。
永代供養では、最終的に骨壺から遺骨を取り出して「合祀墓(ごうしぼ・ごうしばか)」に埋葬され、不特定多数の者の遺骨とまとめて埋葬されます。
ただし、はじめから合祀(ごうし)とされる場合のほか、33回忌頃までは個別に埋葬されその後合祀とされる場合などさまざまな形態が存在します。永代供養はお墓を承継させることができないため、お墓を継ぐ子どもがいない場合などに有力な選択肢となるでしょう。
なお、いったん合祀とされると、その後は遺骨を取り出せないことに注意しなければなりません。
散骨
4つ目は、散骨です。
散骨とは、海洋や山岳などにパウダー状にした遺骨を撒くことです。故人が「亡くなった後は自然に還りたい」と希望していた場合などに、選択されることが多いでしょう。
なお、散骨は原則として「死体遺棄罪」などには該当せず、違法ではありません。しかし、条例によって散骨できる場所に制限がされている場合もあるうえ、地域の状況を知らない者が無断で散骨をすれば漁業関係者やレジャー関係者などとトラブルとなる可能性が生じます。
そのため、散骨は原則として、専門の事業者に依頼をして行うことをおすすめします。なお、家族葬のアイリスでは全国対応で海洋散骨や永代供養などのサポートも行っています。納骨方法についてお悩みの際は、家族葬のアイリスまでお気軽にご相談ください。
納骨はいつ行うべき?
納骨は、いつ行うべきなのでしょうか?ここでは、納骨の時期について順を追って解説します。
納骨をいつすべきかに明確な決まりはない
納骨をする時期について、法令などによる明確な決まりはありません。制度上だけでいえば、火葬が済み埋葬許可証が交付され、かつ納骨先の手配などが整えば、いつでも納骨できます。
とはいえ、火葬後あまり早い時期に納骨までを済ませることは一般的ではないでしょう。
納骨の時期の主な選択肢
先ほど解説したように、納骨の時期に明確な決まりはありません。そのため、現実的には次の両方の都合を加味して、区切りとなるタイミングで納骨することとなるでしょう。
- 埋葬先の手配
- 近しい親族の考え
これらを踏まえ、次の時期を目安として納骨するケースが多いといえます。
四十九日法要のころ
四十九日法要を目安に納骨をするケースは、非常に多いといえます。
仏式の場合、亡くなってから7日ごとに生前の罪の裁きを受け、その7回目にあたる49日目に、極楽浄土へ行けるか否かの最終的な審判が下されるとされています。この四十九日をもって忌明けを迎えます。
多忙な人が増えた昨今では7日ごとの法要は省略されることも増えているものの、四十九日法要だけは執り行うことが少なくありません。そこで、親族が集まる四十九日法要の機会に、併せて納骨をするケースが多いといえます。また、四十九日は故人の魂が死後の世界へと向かう時期であることから、この点からも納骨時期として最適でしょう。
ただし、一般墓の建立には1か月から3か月程度の期間がかかるため、四十九日法要に間に合わない可能性もゼロではありません。四十九日法要の際に納骨をしたい場合、お墓の手配が間に合うかどうか、あらかじめよく確認しておきましょう。
百か日法要のころ
百か日法要のころに、納骨をすることもあります。百か日法要とは、亡くなってから100日目に行う法要であり、故人がその家の先祖として取り扱われる最初の法要です。
また、百か日法要は遺族が通常の生活に戻るための区切りとなる行事ともいえます。四十九日法要での納骨に間に合わなかった場合には、この百か日法要の際に納骨をすることが多いでしょう。
初盆のころ
初盆のころに、納骨をすることもあります。
初盆とは、故人が亡くなってからはじめて迎えるお盆です。新盆も親族が集まることが多いため、このタイミングで納骨をすることもあります。
ただし、お盆はお坊さんにとってもっとも忙しい時期の一つであり、お坊さんの都合がつかない可能性がある点に注意が必要です。新盆での納骨を予定している場合にはできるだけ早期に菩提寺へ相談し、僧侶の予定を確認しておきましょう。
一周忌のころ
一周忌のころに、納骨をすることもあります。
一周忌は喪が明ける区切りとなる時期であり、親族も集まります。そのため、一周忌を目途として納骨をすることも少なくありません。
特に、新たにお墓を建立する場合には時間がかかることも多いため、お墓の手配の都合から一周忌の納骨となる場合もあります。
三回忌のころ
三回忌のころに、納骨をすることもあります。
近しい家族が亡くなった場合、遺骨となった家族から離れることに抵抗があり、なかなか納骨に踏み切れない場合もあるでしょう。しかし、その場合であっても、三回忌(亡くなってから満2年後に行う法要)までには納骨をした方がよいとされています。
なぜなら、故人の魂がいつまでもその場にとどまり、成仏できなくなるおそれがあるためです。また、あまり長期間家に遺骨を置いておけば、万が一被災した場合などに大切な遺骨を失うことにもなりかねません。
なお、ご家族と離れがたい場合には遺骨の一部をアクセサリーに加工するなどの手元供養という方法があるため、検討するとよいでしょう。
納骨当日までの一般的な流れ
納骨は、どのような流れで進めればよいのでしょうか?ここでは、納骨までの一般的な流れを紹介します。
- 納骨する方法や場所を決める
- いつ納骨するかを決める
- 納骨式の予約をする
- 必要に応じて墓地の名義変更をする
- 必要に応じて墓石への字彫りを依頼する
- 納骨式の参列者に連絡する
- 必要書類を確認する
- 供物や供花などを手配する
納骨する方法や場所を決める
はじめに、納骨の方法を検討します。一般墓を建立するのか、永代供養とするのか、散骨とするのかなどです。
方法が決まったら、具体的にどの寺院などに納骨するのかを検討しましょう。菩提寺などがない場合は、契約をする前にいくつかの寺院や霊園に出向いて相談したり、現地の雰囲気を確認したりすることをおすすめします。
なお、故人が生前に永代供養などの契約をしていたり、散骨を希望する事業者のパンフレットを取り寄せていたりすることもあります。そのため、遺品や生前のメモなどを探し、故人の意向などを確認するとよいでしょう。
いつ納骨するかを決める
次に、納骨をいつ行うか日程を検討します。納骨の日程は、お墓などの準備期間や親族の都合などを考慮して決めるとよいでしょう。
なお、寺院側や僧侶の都合がつかない可能性などを踏まえ、複数の候補を決めておくとスムーズです。
納骨式の予約をする
納骨をする寺院や霊園などに、納骨式の予約をします。併せて、僧侶の手配も行いましょう。
必要に応じて墓地の名義変更をする
先祖代々のお墓に納骨をする場合、墓地の名義が故人となっていることが少なくありません。その場合は、必要に応じて墓地の名義を承継者へと変更します。
名義変更とはいえ、登記上の所有者は寺院などであることが一般的です。そのため、墓地の管理者に必要書類を提出することで手続きできることが多いでしょう。
必要に応じて墓石への字彫りを依頼する
必要に応じて、墓石への字彫りを依頼します。
字彫りとは、お墓に故人の戒名や氏名などを彫ってもらうことです。石材店は寺院などから紹介してもらえることが多いため、まずは墓地の管理者に相談するとよいでしょう。
納骨式の参列者に連絡する
納骨式の参列者に、納骨はいつ行うのかなど詳細を連絡します。参列者が遠方である場合には宿泊先の手配なども必要となるため、早期に連絡しておきましょう。
必要書類を確認する
納骨の前には、必要書類を確認しておきましょう。納骨をするには、「埋葬許可証」が必須です。
埋葬許可証は、市区町村役場に死亡届を提出した際に受け取った「火葬許可証」に、火葬場の印が押された書類です。万が一紛失している場合には再発行の手続きが必要となるため、早めに確認しておくことをおすすめします。
供物や供花などを手配する
納骨式の当日には、墓前に菓子などの供物や供花などを備えます。そのため、お供えするものをあらかじめ確認し、当日に間に合うよう手配しておきましょう。
納骨当日の流れ
納骨当日は、どのような流れとなるのでしょうか?ここでは、当日の一般的な流れを解説します。
- 喪主挨拶
- 納骨
- 読経・お焼香
- 会食
喪主挨拶
納骨式を始める際には、喪主が挨拶をすることが一般的です。挨拶の例文は、次のとおりです。
本日はご多用のところ、父 葬儀太郎 の納骨式にお越しいただき誠にありがとうございます。こうして皆さまにお集まりいただき、父もさぞ喜んでいることでしょう。
早いもので、父が旅立ってから49日が過ぎようとしています。月日が流れ、私たち家族も、少しずつ前を向けるようになってまいりました。
ささやかではございますが、本日は別室にてお食事を用意しております。どうぞお時間の許す限り、ゆっくりとお過ごしいただければ幸いです。
本日は、誠にありがとうございました。
納骨をいつ行うのかによって、「四十九日」の箇所を「100日」など適宜変更しましょう。無理にオリジナリティを出す必要はなく、ある程度定型的な挨拶で構いません。
納骨
僧侶が読経をし、読経がなされている間に納骨を行います。
納骨室は墓石の下にあるため、石材店の協力が必要となることもあります。開閉を誰が行うかはお墓の構造などによって異なるため、あらかじめ寺院に相談しておくとよいでしょう。
読経・お焼香
納骨を終えると、再度僧侶が読経をして、お焼香を行います。お焼香の開始は、僧侶の合図に従ってください。お焼香が一巡し読経を終えると、納骨式が終了します。
その後は、適宜お墓にお供えをしましょう。納骨式の所要時間は参列者の数などによって前後するものの、おおむね30分から1時間程度となることが一般的です。
会食
納骨式の後には、会食を行うことが多いでしょう。
この会食は宴会ではなく、故人を偲びつつ遺族や僧侶に感謝の意を示す場です。そのため、あまり故人に関係のない話題は避け、騒ぐことのないようご注意ください。
会食を終える前には、再度喪主から挨拶を行います。また、引き出物を用意している場合には、散会の際に手渡しましょう。
納骨にかかる主な費用
納骨には、どのような費用がどの程度かかるのでしょうか?最後に、納骨にかかる主な費用をまとめて紹介します。
- 納骨作業料
- 彫刻料
- 塔婆料
- お布施
- 供物・供花の費用
- 会食費
納骨作業料
納骨には、納骨作業料がかかります。これは、墓石を移動させ、納骨室に骨壺を納める作業に要する費用です。納骨作業料の目安は、1万円から3万円程度です。
彫刻料
納骨にあたって墓石への字彫りを依頼する場合には、彫刻料がかかります。彫刻料の目安は、3万円から5万円程度です。
塔婆料
宗派によっては、納骨に際して卒塔婆を立てます。卒塔婆を立てるのに要する費用は、2,000円から5,000円程度です。
お布施
納骨式で読経してもらう僧侶には、お布施をお渡しします。お布施の額に明確な決まりはないものの、納骨式のお布施の目安は3万円から5万円程度とされています。
供物・供花の費用
墓前に供える菓子や花などの費用です。かかる費用はお供えする物によって異なるものの、5,000円から1万円程度が目安となるでしょう。
会食費
納骨式後の会食にかかる費用です。会食費の目安は1人あたり5,000円から1万円程度です。また、引き出物をお渡しする場合、引き出物の金額は1人あたり3,000円から5,000円程度が目安となります。
なお、僧侶の都合により、僧侶が会食を辞退されることもあります。その場合は、「お膳料」として、お布施とは別に5,000円から1万円程度をお包みするのがマナーです。
まとめ
納骨はいつ行うべきか、時期の目安などについて解説しました。
納骨を行う時期に、明確な決まりはありません。一般的には、親族が集まる四十九日法要や百か日法要、1周忌などを目安に行うことが多いでしょう。ただし、遅くとも3回忌までには納骨するのが望ましいとされています。
納骨をするには、納骨方法などを決めるほか、寺院などへの予約や僧侶の手配、参列者への連絡などさまざまな準備が必要です。必要な準備を理解したうえで、納骨当日へ向けて一つずつ準備を進めていきましょう。
家族葬のアイリスでは全国対応で葬儀に関するご相談をお受けしているほか、永代供養や散骨などのサポートも行っています。ご家族が亡くなってお困りの際や納骨や散骨について相談先をお探しの際には、家族葬のアイリスまでお気軽にご連絡ください。ご相談は、24時間365日受付中です。
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