日本では仏式の葬儀が大半であり、神式の葬儀や法要に出る機会はあまりないものかもしれません。
法要は仏式と神式では流れやマナーが異なります。そこで知っておきたい言葉の意味や作法等についてお話ししていきます。
●「霊祭」とは法要のことを指す
仏式で執り行われる四十九日法要や一周忌法要などは、故人の冥福を祈る大切なものですが、これら法要のことを神式では「霊祭」と言います。
●霊祭の時期とは
◎斎日は10日ごと
神式の場合、亡くなった日の翌日の「翌日祭」、そして10日ごとに日を定められていて、10日目の「十日祭」、20日目の「二十日祭」、30日目の「三十日祭」、40日目の「四十日祭」、50日目の「五十日祭」と続きます。これらはすべて行われる訳ではなく省略される部分もあります。
ただ、五十日祭は仏式での忌明けの意味をもつ重要なものですから、遺族以外にも親戚、友人達を呼んで盛大に行われるのが一般的です。
五十日祭の後に100日目の百日祭があり、これらをすべて霊前祭といいます。この百日祭を過ぎると式年祭が続いていきます。
◎式年祭は1年を過ぎてから
亡くなってから1年目の「一年祭」、2年目の「二年祭」、3年目の「三年祭」、5年目の「五年祭」と続いていきます。これらのうち一年祭は仏式の一周忌にあたる大事なものとして考えられているので、やはり多くの人に参列してもらい大きな規模で執り行われるのが一般的です。
●霊祭はどこでする?
五十日祭や一年祭は多くの参列者を呼んで行われますが、基本的には自宅や墓前、一般的な貸会場で行います。神式では神社が聖域として扱われていて、「死=穢れ」を持ち込むことはよくないとされているためです。穢れは「気枯れ」という、遺族の深い悲しみをも意味しています。
●仏式の法要と違う部分
◎玉串奉奠
仏式では読経をしてもらっている最中に焼香をしますよね。この焼香にあたるのが神式の玉串奉奠です。「たまぐしほうてん」と呼び、榊の枝に紙垂(かみしで)という紙をつけたものを祭壇に捧げて祈ります。
◎会食のことは「直会」という
大規模に霊祭が行われる時には、会食の席が設けられます。これは、「直会(なおらい)」と呼ばれ、仏式のお斎にあたるものです。
◎仏式と言葉の使い方が違う
神式と仏式では言葉の使い方や作法など違ったものが多いです。また「死」に対しての考えも異なっているので、注意をしなければならないこともあります。
神式では「冥福」「供養」という言葉も使いません。
葬儀や法要に行った時には、ついつい使いそうになってしまいますが、仏式とは違うことを頭に入れておき、失礼な発言とならないように気を付けたいものですね。