納棺と通夜
通夜式の前には納棺が行われます。
この納棺の際には、この世の汚れを全て洗い流して仏の世界に向かうと言う意味で、
湯灌が行われます。
湯灌の手順としては、硬直したご遺体をもみほぐして軟らくした上で、
衣服を脱がせ、バスタオルで肌を見せないようにして納棺師によって洗浄槽に移されます。
この準備が済むと、納棺師から喪主家族や遺族に対して口上が述べられ、
湯灌の儀が行われます。
儀式の最初には、喪主や遺族が足元から胸にかけて清めの水を掛けます。
その後、納棺師か湯灌師がシャワーで身体を洗い流し、
シャンプーを使って洗髪し、ヒゲ剃りや洗顔を施し全身を綺麗に清めます。
その後、ご遺体は床に移され白装束に着替えさせ、
最後に髪のセットと薄化粧を施して、湯灌の儀式は終了します。
こうして湯灌で身を清めた上で、棺に納められます。
ご遺体を棺に移す事を納棺の儀と呼び、湯灌の儀に引き続き行われます。
納棺を済ませたお棺は、祭壇の前に移動され、
通夜式の準備が完了します。
この湯灌と納棺には喪主とその家族が立ち会う必要があるため、
葬儀社に確認して、その時間には必ずご遺体の側に居るようにする必要があります。
そして通夜式の時間の少し前になると僧侶が僧侶控室に入られます。
喪主はこの時に葬儀社の係の人の連絡を受けて僧侶と面会し挨拶をします。
またこの時に僧侶が付けて下さった戒名の披露を受ける事もあります。
通夜・葬儀には何かと喪主はバタバタとするため、
このタイミングで僧侶に通夜・葬儀に対するお布施を渡すケースが増えています。
その後、定刻になれば僧侶の読経により通夜式が始まり、
参列者が親族、一般参列者の順に焼香をして式は終了します。
通夜式が終われば、遅い夕食を済ませ、
遺族が故人を偲んで線香やローソクの火を絶やさぬようにしながら、語り明かしたりします。
こうした時間を過ごす事は、
故人の死を徐々に受け入れて行くと言う意味を持っているのです。
福岡では通夜ぶるまいという形でお通夜に会葬いただいた方に、
お食事を準備することが一般的です。
なお参考ですが、通夜の食事は関西では親族だけで行いますが、
関東では参列者全員に振舞うという習慣が残っています。