父の無宗教葬
福岡市内での無宗教・家族葬で行った父の葬儀
葬儀は故人の遺志を尊重して福岡市内での家族葬に決めました。
父が体調の異変に気付いて病院で検査を受けた時には
既に肝臓に数個のガンができていました。
その時はまだまだ見た目は元気だったのですが、
その後様態が急変し、2週間後には大阪市内の病院で帰らぬ人となってしまいました。
ついこの間まで普通に元気な父でしたので、
母も妹も私もまるで実感はなく、
葬儀のことなど全く頭にありませんでした。
とりあえず父の部屋を片付けようと妹がふと手にした父のノートに、
遺書にも見える一文が書かれているのを見つけました。
もしもの時のために父が書いたものと思われます。
そこには、
「葬儀は家族葬で行ってほしい。」
「お坊さんは呼ばずに無宗教で行ってほしい。」
「戒名は自分でつけたいが間に合わなかった場合は任せる。」
「遺骨は海に撒いてほしい」
という四つのことが書かれていました。
形にこだわらないロマンチストな父でしたから、
いかにも父らしい遺書だと思いました。
家族が亡くなるのは初めての経験でしたので、
葬儀社もどこが良いのかピンときません。
しかし、妹の義父が亡くなった時の葬儀社がとても良い対応だったと聞いていたので、
その系列の葬儀社が福岡市内にもあったため、そこに決めました。
そこでは家族葬も積極的にすすめているし、
散骨のコースも用意されているので、父の希望にあっています。
さっそく電話で確認し、私が説明を聞きに行くこととなりました。
今回は父の葬儀ですので一般的には母が喪主となりますが、
高齢で身体に障害もあるため、長男である私が喪主を引き受けることとなりました。
葬儀社に相談に行くと、申し込みをしたその場ですぐに手はずが整えられ、
その手際の良さに驚きましたが、
ただうろたえている私達家族には大変心強く感じられました。
福岡市内での無宗教の家族葬はこんな葬儀でした。
通夜は福岡市内の自宅で行うことに決めました。
集まるのは私達家族と、同じく大阪市内に住む叔父と叔母だけのささやかな通夜です。
ピザやお寿司などをテーブルに並べて、
ワインを飲みながら亡くなった父をしのびました。
無宗教葬儀ですので、もちろんお坊さんは呼びません。
祭壇などもありませんが、そのかわり父の好きだった音楽をかけて懐かしいアルバムを見ながら、
みんなで昔話を楽しむ和やかな通夜を行うことができて、
大変良かったと思っています。
最近は自宅で通夜を行う人は少なくなったようですが、
無宗教ならば特別な準備もなく自宅で行うことができます。
無宗教による家族葬も福岡市内にある会館の一室で行いました。
通夜もそうですが、無宗教の家族葬は初めての経験だったので、
一体どんなものなのか期待もありますが、
不安な気持ちもあったというのが正直なところです。
しかし実際の葬儀は非常にすばらしいものでした。
なんといっても葬儀社の担当の方のお話がすばらしかったです。
父の経歴の紹介をしつつ、時折り母の方に
「お父さんはどんな方でしたか?」などと優しくお話を向けてくださいます。
父と母が結婚した当時の社会情勢や、父の幼かった時代の話など、
とても上手に温かい口調でお話ししていただけました。
その優しい心遣いに私たちも大変感動しました。
お坊さんのお経が無いお葬式は初めてでしたが、
よく意味のわからないお経を聞くよりも、
私達家族にとっては(おそらく父にとっても)すばらしい時間を過ごす事ができて感謝しております。
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